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【column】 夏を快適に過ごすために

2024.07.06

犬猫通信 for CAT

猫は猛暑にも強い?

我々が一緒に生活している「イエネコ」は、北アフリカやアラビア半島の砂漠地帯に多く住んでいるリビアヤマネコを祖先としています。そのためネコは概ね暑さに強く、寒さに弱い動物とされています。 とはいえ砂漠地方は、日中40℃を超えるような温度まで上昇するものの湿度が低いため、日陰に入ると案外カラっとしています。

しかし日本の夏は高温多湿。湿度が高い上、気温が35℃を超える猛暑は、夏でも毛皮をまとっている彼らにとって、やはり暑すぎる環境と言わざるを得ません。

室温26〜28℃程度、湿度は50〜60%が快適な環境となりますが、扇風機などで空気の流れを作ってあげることも重要です。また、家の中で涼しい部屋と暖かい部屋を作っておくといいでしょう。 猫たちは自分が今求めている環境を良く知っています。その時々に快適な場所を求めて移動しますので、温度勾配をつけておいてあげることが大切なのです。

また、ノルウェイジャンフォレストキャットなど、寒い地方出身の猫たちは、アンダーコートが密に生えており、寒さに強く暑さに弱い傾向にあります。長く密な被毛が体表面からの放熱を邪魔するので、他の猫種よりもエアコンの設定温度は低めにした方がいいでしょう。



猫も熱中症になるの?



熱中症は「高温多湿」の環境下において、高体温及び脱水によって起こる全身疾患のことをいいます。 体温が上がることで細胞を構成するたんぱく質が変性し、細胞そのものがダメージを受けます。それに伴い全ての臓器の機能が著しく低下し、深刻な状態に陥ります。

具体的には、開口呼吸、頻脈、粘膜の充血やうっ血、がまず見られます。さらに症状が進むと、流涎、運動失調、嘔吐・下痢・下血などの消化器症状、乏尿、無尿などが見られ、痙攣発作、虚脱、意識消失から昏睡状態に陥り、最終的に心肺停止することになります。

重度の脱水などから急性腎不全が起こりやすく(乏尿や無尿)、低血糖もよく見られます。 また消化管粘膜の細胞がダメージを受けると、腸内細菌が腸粘膜から侵入し、他の臓器へと移動します。その結果、敗血症や、全身性炎症反応症候群(SIRS)、多臓器不全を起こすきっかけとなってしまいます。

こういった変化は体温が正常に戻った後にも進行する可能性があります。体温が下がったから大丈夫、と安心することができないところが、熱中症の怖いところなのです。

熱中症の治療で大切なのはとにかく一刻も早く「体温を下げる」ことです。ただし急激に下げると内臓により強いダメージを与える可能性があるので、ゆっくりと下げていく必要があります。

まず、水で濡らしたタオルを体中にかけてあげましょう。その上で、扇風機やうちわなどで風を送り、気化熱を利用して体温を徐々に下げていきます。 風を当てていると段々水分が蒸発するので、タオルも乾いてきたら再度しっかり濡らしてかけ直して下さい。

そして一刻も早く動物病院を受診することです。一見何もなさそうでも、体の中で何が起こっているかわからないのが、熱中症の怖いところです。必ず受診し、検査をしてもらいましょう。




夏バテ知らずのカラダを作ろう!




まずは筋肉量の維持に努めましょう!1日10〜20分でいいのでしっかり遊ばせながら運動させましょう。筋肉量が多いと代謝が良くなるだけでなく、体内水分保持量も増加します。

保持できる水分量が増えることは、暑さに強いカラダつくりに非常に役立ちます。また、筋肉量に比例して活動性が上がり、ある種のサイトカインの分泌が促進され、ストレス解消にも役に立つと言われています。

筋肉を維持するために必要な栄養素といえば、タンパク質です。特に猫は動物性タンパク質を好みますし、カラダの作りもそれらを消化しやすいようにできています。良質なタンパク質をしっかりと与えるようにしましょう!

水分補給も大切ですが、猫に水を飲ませるのは意外と大変です。材質の違う器を用意したり、温度の異なる水をあげてみたり、ファウンテンタイプの水飲み器を設置したりしてみましょう。

今夏も酷暑が予想されています。夏に強いカラダを作って元気に夏を乗り越えたいですね!

 

Written by
監修医 小林 充子 先生


麻布大学獣医学部を卒業。在学中は国立保険医療科学院のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行う。2010年に目黒区駒場にてキャフェリエペットクリニックを開業。一頭一頭のタイプに合ったオーダーメイドの対応を信条に総合診療を行う。
 
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