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【column】 正しいオーラルケアをはじめよう

2023.10.02 | 犬猫通信 for DOG

わんちゃんの口の中について知ろう!


うちの子って何本歯があるの?いつ頃生え変わるの?歯並びはどうなの?
知っているようで知らない疑問がたくさんありませんか?

犬にとって初めての乳歯は、生後3週間ほどすると生えてきます。まずは犬歯から、その後切歯(前歯)、臼歯へと続きます。

全ての乳歯が生え揃うのは生後6週目を迎える頃で、乳歯だけの時期は3ヶ月程度です。生後4ヶ月くらいから永久歯が生え始めます。永久歯が生えてくる順番は、最初に切歯(前歯)が、その次が臼歯、最後に犬歯が生えてきます。

また、どの歯も下側の歯が先に生え変わり、その後に上側の歯が生え変わります。上の犬歯が生え変わる頃には、乳歯の時には生えていなかった後臼歯(奥歯)が全て生えそろっており、永久歯は42本になります。

永久歯が生えてくると乳歯がグラグラしてきます。ヒトの場合は、乳歯が抜けた後に永久歯が生えてきますが、犬の場合は永久歯が先に生えてきて乳歯と共存している時間があります。切歯で0〜数日、下の犬歯が1〜2週間、上の犬歯が2〜3週間ほどです。永久歯が生えているのに乳歯がまだ残っていても、慌てず経過を見守っていきましょう。

ただ、上記の期間を過ぎても乳歯が抜けなければ、「乳歯遺残」となります。 乳歯がずっと残っていると、永久歯の位置がずれて不正咬合になったり、歯並びが悪いことで歯垢が溜まり、歯周病になりやすくなります。避妊去勢手術などで麻酔をかけるタイミングがあれば一緒に抜歯しましょう。



口臭が気になる…どんな原因がある?



最近うちの子の口が臭い、ということで来院される方はとても増えており、そのほとんどの原因が「歯周病」です。

歯周病とは、歯を支えている歯周の組織(歯肉や歯槽骨など)が破壊されることで歯を失う、進行性の炎症性疾患で、その原因となるのが、ニオイの原因でもあるプラーク(歯垢)の中に潜む歯周病原細菌です。

これらの細菌は嫌気性菌と言われ、酸素のないところで繁殖するため、歯周ポケットの中やそこに付着する粘着性のあるプラークは格好のすみかとなります。 歯石はプラークが唾液の中のカルシウムやリンなどと結合して石灰化したものです。

付着したプラークが石灰化するまでにかかる時間は早ければ3日と言われています。 つまり3日のうちにプラークを除去しなければ、歯石となって歯に固着してしまうのです

歯石の表面には細かい穴がたくさん開いており、そこに新たなプラークが入り込み歯石内で細菌が増えていきます。歯石の付着は細菌が増殖する直接的な原因ではないのですが、間接的に細菌の増殖を助けているのです。



毎日のケアは何をすればいいの?

オーラルケアの基本は、「悪玉菌の増殖を抑える」「プラークを除去する」の2点です。

プラークを除去するには歯ブラシを用いるのが一番確実ですが、歯肉に炎症を起こしている場合、ブラシで歯肉を傷つけて歯肉炎を悪化させる可能性があり、あまりこすらない方がいい場合もあります。

歯ブラシそのものを嫌がってしまう子には、歯磨きシート、歯磨き用手袋や指サックなどを使ってもいいでしょう。その子が好む歯磨き粉やジェルなどを上手に使うといいですね。

歯磨きガムを使用する場合には、全ての歯できちんと噛めるようにガムを持ったまま上手に誘導してください。 またうがい代わりに、食後にしっかりと水を飲ませるのもいいでしょう。水を飲まない子には、スポイトや注射器で左右両側から少し勢いをつけて水を注入し、食べカスを洗い流しましょう。

悪玉菌の増殖を抑えるために、抗菌スプレーなどを活用してもいいですし、口腔内の善玉菌のサプリメントを使用してもいいでしょう。

いずれにしても、オーラルケアの一番大切な事は、「毎日続けること」です。お互いのストレスになるようなケアの方法は、決して長続きしません。

どんな方法が一番合っているのか、色々試行錯誤してみてください。
持続可能ないい方法を探して、口の中の健康を保ってあげたいですね!

 



Written by
監修医 小林 充子 先生


麻布大学獣医学部を卒業。在学中は国立保険医療科学院のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行う。2010年に目黒区駒場にてキャフェリエペットクリニックを開業。一頭一頭のタイプに合ったオーダーメイドの対応を信条に総合診療を行う。