犬のお手は右手?左手?できない原因や教え方を解説
2025.05.06
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本記事では、わんちゃんがお手ができない原因や教え方、スムーズに覚えさせるためのコツを詳しく解説。楽しくお手を習得し、愛犬との関係をより深めていきましょう。
わんちゃんにお手を教える方法

お手は「おすわり」「まて」「ふせ」などの一般的なしつけを習得し、アイコンタクトが取れるようになった頃に始めるのがおすすめです。しつけとは異なり、必ず習得すべき動作ではありませんが、遊びの一環として教えてあげることで、わんちゃんとの楽しいコミュニケーションの時間を作れます。
長時間のトレーニングは集中力が続かないため、短い時間に区切って進めることを心がけましょう。以下の手順で進めることで、わんちゃんも無理なくお手を覚えられます。
【わんちゃんにお手を教える4ステップ】
- 1.正面に向き合う
わんちゃんとしっかりアイコンタクトを取りながら、正面に向き合います。 - 2.「お手」と声をかけながら誘導する
わんちゃんの前足をそっとご家族の手のひらに乗せ、「お手」と声をかけます。やさしく持ち上げて、無理のない範囲で動作を促しましょう。 - 3.数秒キープ
手のひらに前足を乗せた状態を3〜5秒キープします。 - 4.大げさにほめる
成功したらたくさん褒めてあげるか、ご褒美をあげます。お手が楽しい動作であるとわんちゃんに教えることが重要です。
以上のステップを繰り返すことで、わんちゃんが自然にお手を覚えるようになります。習得まで時間がかかるかもしれませんが、焦らず楽しく進めていきましょう。
なかなかできないわんちゃんへの教え方

お手がなかなかできないわんちゃんには、以下のステップを試してみましょう。焦らずに根気よく進めることで、わんちゃんにお手の動作を自然に覚えさせることができます。
- 1.おやつを準備し、「ぐー」にした手の中に隠す
わんちゃんの鼻先に差し出し、興味を持たせます。わんちゃんは匂いを嗅ぎ、鼻や前足を使って手の中のおやつを取ろうとするでしょう。 - 2.前足が手に触れたら、褒めておやつをあげる
わんちゃんの前足が手に触れたら「いいこ」と優しく声をかけ、おやつをあげましょう。「前足を使うと褒められる」という認識を持たせます。 - 3.前足を使う動作を少しずつ発展
わんちゃんが慣れてきたら、手のひらを差し出しながら「お手」と声をかけます。前足が手のひらに触れたタイミングで大げさに褒め、さらにおやつをあげてみましょう。 - 4.「お手」を繰り返し関連付ける
「お手」を聞いた後に前足を差し出す動作が習慣化するまで、繰り返し練習を続けます。 - 5.失敗しても焦らず、怒らない
トレーニング中に失敗しても怒らず、できた部分を褒めて成功体験を積ませます。根気よく続けることが大切です。
なお、お手は爪切りや病気の早期発見といったメリットがありますが、おすわりやまてのように危険回避や気持ちを落ち着かせる重要なしつけではありません。できなくても生活に支障はなく、必ずしも覚える必要のない芸のひとつです。
わんちゃんがお手をするかわいい姿が見たい気持ちもあるでしょうが、愛犬の性格に合わせ焦らずトレーニングをしていきましょう。
お手は右手・左手どっち?おかわりとの違い

わんちゃんにお手を教える際、右手と左手のどちらで教えるべきか迷うことがありますが、実際にはどちらでも問題ありません。重要なのは、家族全員で統一して教えることです。統一することで、わんちゃんが混乱せずに覚えやすくなります。
また、「おかわり」という動作もありますが、こちらもどちらの手でもかまいません。お手はわんちゃんが最初に出す手の動作を指し、次に出す反対の手をおかわりと呼びます。
お手はいつから教える?

わんちゃんへのしつけは、幼いほど習慣化しやすいとされています。ただし、お手は必ず覚えさせる必要があるわけではなく、優先度が高いコマンドではありません。そのため、おすわりやまてといった基本的なしつけを先に教え、お手はゆっくりと進めても大丈夫です。
お手ができない原因は?

わんちゃんがお手ができないのは、以下のような原因が考えられます。
- ・触れられるのに慣れていない
- ・わんちゃんの反抗期
1つずつ確認してみましょう。
触られるのに慣れていない
お手ができない理由のひとつとして、前足に触られることを嫌がる場合があります。前足に触られる経験が少ないわんちゃんは、触られることに驚いてしまうこともあるでしょう。無理に進めようとすると、怒ったり噛んだりするリスクがあり危険です。
トレーニングを始める際は、リラックスした状態で前足に触れる練習を行い、わんちゃんの警戒心を和らげてあげましょう。少しずつ慣らしていくことで、触られることへの抵抗が薄れていきます。
なお、わんちゃんが過剰に反応したり、片足だけを嫌がる場合は、足をケガしている可能性も考えられます。その場合は、早めに獣医師に相談してください。
わんちゃんの反抗期
わんちゃんがお手を覚えられない理由として、反抗期が影響している可能性があります。わんちゃんの反抗期は、個体差や犬種によって異なりますが、一般的には以下の時期に見られることが多いとされています。
反抗期の種類 | 時期(目安) | 特徴 |
第1反抗期 | 小型犬:生後4~6か月 大型犬:生後9~12か月頃 |
成長期に見られる初期の反抗。指示に従わなくなることが多い。 |
第2反抗期 | 1歳半前後 | 自立心が芽生える時期。意志を試す行動が増える。 |
第3反抗期 | 2歳~5歳頃 | 成犬になり、再び自分の立場を確認するような行動が出る。 |
これらの時期には、自分の意志を試すような行動が増え、お手を覚えるのが難しくなることがあります。根気よく繰り返し教え、少しずつ慣らしていくことが大切です。
お手を覚えさせるコツと注意点

わんちゃんにお手を覚えさせるコツと注意点を解説します。前項でもお伝えした通り、お手は生活に必須のコマンドではありません。
そのため、無理強いはせず、わんちゃんのペースに合わせて進めることが大切です。愛犬のモチベーションを保ちながら、楽しくトレーニングを行いましょう。
お手のトレーニングは短時間でコツコツと
わんちゃんの集中力は長く続かないため、1回のトレーニングは5~10分程度を目安に行いましょう。短時間で集中して進めることで、わんちゃんに負担をかけず、楽しく取り組むことができます。
1日に数回に分けてトレーニングを行うと、わんちゃんが学習した内容を忘れにくくなります。また、トレーニング後は褒めたり遊んだりする時間を取り入れ、ポジティブな経験として記憶させることが大切です。
空振りでも褒めてあげる
最初のうちは、わんちゃんが正確にお手をできなくても問題ありません。前足を少し上げたり、手に触れたりする動作が見られたら、その都度しっかり褒めておやつをあげましょう。小さな成功を積み重ねることで、わんちゃんはお手を自然と覚えていきます。
無理やり掴んだり、引っ張ったりしない
わんちゃんの足を無理に掴んだり引っ張ったりすると、恐怖や不快感を与えてしまうことがあります。このような方法は、トレーニングが逆効果になるだけでなく、信頼関係を損なう原因にもなりかねません。
お手を教える際は、優しく手を差し出し、わんちゃんが自分から前足を乗せるよう促すのがポイントです。安心できる環境で少しずつ進めることで、わんちゃんも前向きにトレーニングに取り組めるようになります。
お手などのしつけにおすすめのおやつ【ピックアップ】

出典:犬猫生活
お手のトレーニングを効果的に進めるには、わんちゃんが楽しみながら取り組めるおやつを選ぶことが大切です。トレーニング中はおやつを頻繁にあげるため、健康に配慮した商品を活用しましょう。
お手のトレーニングにおすすめなのが、犬猫生活の「はなまるおやつ」シリーズです。国産素材を使用し、無添加にこだわって作られており、わんちゃんの健康を考えた商品として人気があります。
さらに、グレインフリー設計のため、穀物アレルギーが心配なわんちゃんにもぴったり。小さく割りやすい形状で、トレーニング中にも使いやすい仕様が特徴です。
【おすすめ理由】
- ・国産素材へのこだわり:すべて国内で厳選された新鮮な食材を使用
- ・グレインフリー:穀物を含まず、アレルギーが心配なわんちゃんにぴったり
- ・無添加:保存料や着色料を使わず素材そのものの味と香りを楽しめる
まとめ

お手のトレーニングは、わんちゃんとのコミュニケーションを深める楽しい機会です。かわいい仕草を見たいという気持ちから始めることも良いですが、生活に必須のコマンドではないため、無理に覚えさせる必要はありません。
トレーニングを進める際には、わんちゃんのペースを大切にしながら、小さな成功を積み重ねていきましょう。そのために、おやつを上手に活用することがポイントです。お気に入りのおやつを使うことで、楽しい雰囲気の中でトレーニングを進められます。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。