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子犬のおすわりのしつけ方法|練習のコツと注意点

2025.05.06

コラム

子犬をお迎えしたばかりの家族にとって、最初のしつけは戸惑うことも多いでしょう。とくに「おすわり」は、最初に教えるしつけのひとつです。うまくいかない時もあるかもしれませんが、焦らず続けることが大切です。
成犬になっても覚えられるので、根気よく教えてあげましょう。本記事では、子犬におすわりを教える方法や練習のコツを紹介します。


 

わんちゃんにおすわりを教える理由





「おすわり」は、子犬のしつけにおいて基本となる動作のひとつです。わんちゃんに教えることで、以下のようなメリットがあります。

 
  • ・事故を防ぐ
  • ・気持ちを落ち着かせる
  • ・おでかけに役立つ

生活の中で役立つ場面が多くなり、犬とのコミュニケーションが円滑になります。それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
 

事故を防ぐ


子犬は危険を感知する力がまだ未熟なため、思わず車道に飛び出してしまうことがあります。また、予期せぬアクシデントでリードが外れることも。

そんな時に「おすわり」を習得していると、その場で動きを止める助けになり、安全を守ることができます。日頃から練習しておくことで、緊急時に役立つスキルとなるでしょう。

 

気持ちを落ち着かせる


興奮しやすい子犬にとって「おすわり」を覚えることは、状況を切り替えるきっかけになります。散歩中に他のわんちゃんや家族以外の人と出会った際、興奮して飛びつくこともあるでしょう。

こうした場面で「おすわり」の指示を出すことで、問題行動を抑え、トラブルを未然に防ぐ助けになります。物音に驚いてパニックになった時も、家族の声を聴くことで冷静さを取り戻しやすくなるでしょう。

 

おでかけに役立つ


外出先でおすわりができると、わんちゃんが動き回らず、その場で待つことが求められる場面で役立ちます。例えば、カフェで席を確保している間、わんちゃんが静かに座っていれば他の人に迷惑をかける心配がありません。

また、集合写真を撮るときにも役立ちます。おすわりをしていると、わんちゃんが落ち着いた姿でフレームに収まり、思い出をきれいに残せます。

 

おすわりの練習はいつから?





集中力が高いとされる子犬の時期が練習に適しています。とくに、生後3か月頃から始めると、短い時間でも効果が出やすいでしょう。

この頃のわんちゃんは集中力が持続しにくいため、5分〜10分を目安に練習を繰り返すのがポイントです。おすわりを覚えるまでの期間には個体差がありますが、多くの場合、数週間から1か月程度で習得できます。

練習の時間帯も工夫が必要です。食後や遊び終わった後など、わんちゃんがリラックスしているタイミングを選ぶと良いでしょう。また、静かな環境で練習を行うことで、外部の刺激を減らし、わんちゃんが集中しやすくなります。

 

おすわりの教え方





おすわりを教える際には、わんちゃんが楽しみながら取り組める工夫が大切です。アイコンタクトを取りながら、「おすわりができるとご褒美がもらえる」と理解させることがポイントです。
また、指示を出すときは、わかりやすい言葉と一貫したトーンで伝えるようにしましょう。それでは、具体的な手順を見ていきます。

 
  1. 1.おやつで注意を引く
    子犬の目の前におやつを持ち、後頭部へ動かすようにゆっくりと移動させます。このとき、おやつに集中させることで、スムーズに次の動作につなげられます。
  2. 2.自然に座る姿勢に導く
    おやつを追いかける動きで自然と腰が下がり、座る形になります。この姿勢を無理に作らせるのではなく、自然に促すことがポイントです。
  3. 3.おすわりのコマンドを使う
    座った瞬間に「おすわり」と声をかけ、行動と言葉を結びつけます。この際、声のトーンを穏やかに保つことで、わんちゃんが指示を受け取りやすくなります。
  4. 4.よく褒めてご褒美を与える
    コマンドに従えたら、たっぷり褒めておやつを与えましょう。この繰り返しで動作を定着させます。ご褒美は毎回与える必要はなく、徐々にランダムにすることで、行動そのものを習慣化できます。

練習の際にはおやつを与える機会が増えるため、わんちゃんが食べ過ぎにならないよう注意が必要です。日頃の食事量を調整しながら進めることで、健康的にしつけを行うことができます。
 

おすわりのしつけにおすすめのおやつ【ピックアップ】




出典:犬猫生活

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犬におすわりを教える際の注意点





愛犬におすわりを教える際の注意点をまとめました。トレーニングを始める前に、ぜひ参考にしてください。
 

コマンドは家族で統一する


おすわりの指示は、家族全員で同じ言葉を使うことが大切です。異なる言葉やトーンで教えると、わんちゃんが混乱してしまう原因になります。

「おすわり」「すわれ」「シット」など、どの言葉を使うかを最初に決め、一貫して教えるようにしましょう。

 

無理に座らせるのはNG


力で押さえつけて無理に座らせる方法は避けましょう。わんちゃんが恐怖を感じると、しつけ自体がうまくいかなくなる可能性があります。とくに子犬の段階では、無理な力を加えないよう注意が必要です。

自然に座れるように導くには、教え方のポイントを押さえることが大切です。先ほど紹介した「おすわりの教え方」を参考に、わんちゃんが楽しみながら学べる方法を試してみてください。

 

しつけはコツコツと!休憩をはさむ


練習は短時間で切り上げ、集中力が切れる前に終えるのがポイントです。楽しい雰囲気で進めることで、わんちゃんが積極的に取り組むようになります。子犬の場合はもちろん、成犬でも同じようにコツコツと続けることが重要です。

1回の練習は5分〜10分程度を目安にし、休憩や遊びをはさみながら、愛犬の負担にならないよう進めていきましょう。なお、成犬の場合でも焦らず進めることで、習得のチャンスは十分にあります。

 

おすわりができない!解決方法は?





おすわりを教えようとしても、わんちゃんが後ずさりしてしまう場合があります。このような時は、練習場所を工夫してみましょう。

例えば、後ろに壁や家具がある場所を選べば、後ずさりできず自然に座りやすくなります。また、愛猫のおしりにそっと手を添えてサポートする方法もおすすめ。ただし、無理やり座らせることは避け、わんちゃんが自主的に行動するよう見守ることも大切です。

おやつを握った手に飛びついてしまう場合は、手を高めに上げてみましょう。その際、わんちゃんとのアイコンタクトが取れる高さを意識すると効果的です。飛びつく行動が減ることで、次第に「おすわり」の指示に集中しやすくなります。

複数回チャレンジしてもうまくできないときは、しつけ教室を利用するのも一つの方法です。プロのアドバイスを受けることで、トレーニングが成功しない原因を明らかにできるだけでなく、他のしつけにも応用できる知識が得られます。

 

おすわりができたらふせも覚えよう





「ふせ」は、わんちゃんが長く落ち着いて待つときに役立ちます。おすわりが短時間の待機に適しているのに対して、ふせはお腹を地面につける姿勢のため、リラックスしやすいのが特徴です。

動物病院での診察待ちやドッグカフェでの休憩など、長い時間待つ必要がある場面で便利に使えます。おすわりをマスターしてからふせのトレーニングに進むとスムーズです。おやつを使いながら、わんちゃんが自然にふせるように導いてみましょう。

 

まとめ





おすわりは、わんちゃんが落ち着いて行動するための基本的なしつけです。安全面や日常生活で役立つほか、わんちゃんとの信頼関係を深めるきっかけにもなります。

練習する際は教え方のポイントを抑え、愛犬に負担がかからないような配慮をして進めることが重要です。楽しく学べるよう、愛犬が好きなおやつを取り入れながら根気よく練習していきましょう。



 



Written by
監修医:小島 麻里 先生

 

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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