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膵炎の愛犬向けドッグフードおすすめ5選!原因や食事方法も解説

2025.05.08

コラム

愛犬が膵炎と診断されたら、気にしたいのが食事です。ドッグフードはどのようなものを選べば良いのか、食べてはいけないものはあるかなど気になる方も多いでしょう。本記事では膵炎のわんちゃんにおすすめのドッグフードやサポートの仕方を解説します。

 

膵炎の症状や原因は?





わんちゃんの膵炎には、急性膵炎と慢性膵炎の2種類があります。主な症状は嘔吐や下痢、食欲不振などですが、重症の場合は死に至るケースもあるので注意が必要です。

また、膵炎になる直接的な原因は分かっていませんが、高脂血症がトリガーとなる可能性があると考えられています。そのため、高脂血症になりやすいミニチュア・シュナウザーやヨークシャー・テリア、シェットランド・シープドッグ、コッカー・スパニエル、コリー、ボクサーなどの犬種は特に注意が必要です。

 

急性膵炎



急性膵炎は突然発症し、急に進行する膵臓の炎症のことです。激しい嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛などの症状が現れます。腹痛がある場合、伏せの状態で前足を伸ばし、腰を上げた「祈りの姿勢」と呼ばれるポーズをとるわんちゃんもいます。

急性膵炎には特効薬はないため、基本的には対処療法です。入院して点滴や制吐剤、下痢止め、状態によっては抗生剤の投与、疼痛管理などを行いながら回復を待つ流れが一般的とされています。また、近年では急性期の抗炎症剤であるフザプラジブナトリウム水和物を有効成分とする、ブレンダZやパクノエルといった薬剤も使われるようになっています。

 

慢性膵炎


慢性膵炎の場合も急性膵炎同様、嘔吐や吐き気、食欲不振、腹痛などの症状が現れます。しかし慢性膵炎では症状が軽度なことが多いため、見逃さないために愛犬の小さなサインに気づいてあげることが重要です。

また1度発症すると完治は難しく、慢性膵炎が増悪化して急性膵炎に転化することもあるため、食事の見直しが必要とされています。さらに慢性膵炎が進行すると膵外分泌不全や糖尿病を併発することがあるため、注意が必要です。

 

膵炎のわんちゃんが食べてはいけないもの





膵炎になったことがあるわんちゃんは、脂質の多い肉や脂質の高いドッグフードなど膵臓に負担をかけるものは食べない方がよいでしょう。

また、人間の食べ物はわんちゃんにとっては高脂質なものが多く、消化もしにくいため与えないよう注意しましょう。ご褒美のおやつをあげすぎることも高脂血症や肥満の原因となってしまうため、食事内容だけでなくご飯の回数や量も見直すのがベターです。

 

食事管理の方法と注意点





膵炎になったからといって必ずしも、絶食が必要なわけではありません。あくまでバランスの良い食事に見直すことが重要です。なかでも膵液という消化液を分泌する膵臓の負担を減らすために、脂質の制限が効果的とされているため、意識してごはんをあげるようにしましょう。
 

低脂肪


高脂肪な食事は、わんちゃんの膵臓に大きな負担となります。そのため、低脂肪の療法食が望ましいでしょう。

また、低脂肪なだけでなく脂肪の質や種類にも注目するのがおすすめです。たとえば、魚に含まれるオメガ3脂肪酸が含まれるごはんであれば、膵臓に負担がかかりにくいとされています。


低糖質


膵炎の既往歴があるわんちゃんは、膵外分泌不全や糖尿病を併発するリスクが高いとされています。そのため、低脂質かつ低糖質のごはんをあげるようにしましょう。

低糖質のものであれば、血糖値が急上昇しにくいとされています。また、甘いものは避けるよう心がけましょう。


高消化性のタンパク質


膵臓に負担をかけないようにするためには、高消化性のタンパク質を食べさせてあげることも重要です。わんちゃんが消化しやすい動物性タンパク質には、魚、ゆっくり低温調理された肉などが挙げられます。

 

腸の健康


腸の健康を維持するためには食物繊維も欠かせません。食物繊維が豊富に含まれているものであれば、お腹の調子を整えやすいでしょう。

しかし、食物繊維は多ければ多いほど良いというわけではありません。便が固くなったり、必要な栄養素がうまく吸収できなかったりすることがあるので注意して与えるようにしましょう。

 

膵炎のわんちゃんにおすすめドッグフード5選



膵炎のわんちゃんにおすすめのドッグフードを5選を紹介します。ぜひ愛犬の体質に合うドッグフードを見つけてみてください。
 

ヒルズ|プリスクリプションダイエット 特別療法食 アイディー ローファット


「ヒルズ プリスクリプションダイエット 特別療法食 アイディー ローファット」はこちら

「ヒルズ プリスクリプションダイエット 特別療法食 アイディー ローファット」は、低脂肪かつ消化に優しい食材を使っているのが特徴です。

ヒルズ独自の「アクティブバイオーム⁺テクノロジー」が採用され、腸内フローラを活性化し、お腹の健康をサポートしてくれます。※”ヒルズ 公式HP”参照
さらに、尿石の形成リスクを低減してくれるのもうれしいポイント。
チキン味がわんちゃんの食欲をそそります。

なお、獣医師の指導が必要な特別療法食なので、かかりつけの動物病院に相談のもと選ぶようにしましょう。

 

ヒルズ|プリスクリプション・ダイエット(特別療法食)〈犬用〉 i/d アイディー コンフォート チキン&野菜入りシチュー 缶詰


「ヒルズ|プリスクリプション・ダイエット(特別療法食)〈犬用〉 i/d アイディー コンフォート チキン&野菜入りシチュー 缶詰」はこちら

「ヒルズ|プリスクリプション・ダイエット(特別療法食)〈犬用〉 i/d アイディー コンフォート チキン&野菜入りシチュー 缶詰」は、低脂肪な上に消化吸収に優れていて、加水分解ミルクプロテインでストレス性消化器症状に作用することがポイントです。

ウェットタイプなので食べっぷりも良く、ドライフードと組み合わせてあげることもできます。犬種を問わずあげられるのもうれしいポイントです。

なお、獣医師の指導が必要な特別療法食なので、かかりつけの動物病院に相談のもと選ぶようにしましょう。

 

ロイヤルカナン|消化器サポート 低脂肪 ドライ


「ロイヤルカナン 消化器サポート 低脂肪 ドライ」はこちら

「ロイヤルカナン 消化器サポート 低脂肪 ドライ」は、低脂肪で消化しやすいのが特徴です。食物繊維の量も調整されているので、硬い便や下痢に悩まされることもありません。

小型犬やシニア犬でも食べやすい小粒なのもうれしいポイント。消化吸収不良による下痢や高脂血症に悩んでいるわんちゃんにおすすめです。

なお、獣医師の指導が必要な特別療法食なので、かかりつけの動物病院に相談のもと選ぶようにしましょう。

 

ピュリナ プロプラン EN|消化器ケア[低脂肪]


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「ピュリナ プロプラン EN | 消化器ケア[低脂肪]」は、低脂肪かつ消化性に優れているのが特徴です。ビタミンAやビタミンEも配合されているので、免疫系もサポートしてくれます。

低脂肪ながら嗜好性に優れているのもうれしいポイント。膵炎のほか、高脂血症やリンパ管拡張症、蛋白喪失性腸症、炎症性腸疾患などの症状にも適しています。

なお、獣医師の指導が必要な特別療法食なので、かかりつけの動物病院に相談のもと選ぶようにしましょう。


HAPPY DOG|VETインテスティナル/ローファット(消化器ケア/低脂肪) ドライ


「HAPPY DOG|VETインテスティナル/ローファット(消化器ケア/低脂肪) ドライ」はこちら

 
「HAPPY DOG|VETインテスティナル/ローファット(消化器ケア/低脂肪) ドライ」は膵炎や高脂血症に適しているのが特徴です。低脂肪かつ高消化性タンパク質の食材を使用しています。

水溶性食物繊維が腸内環境を整えてくれるうえ、プレバイオティクスが腸内フローラの活動を活性化してくれるのも魅力です。

 

わんちゃんの膵炎に関するQ&A



わんちゃんの膵炎に関するよくある質問とその答えを紹介します。愛犬の膵炎に悩まされている方は、ぜひチェックしてみてください。

 

膵炎のわんちゃんにおやつはあげていいの?


膵炎のわんちゃんにおやつをあげる際は、低脂肪のものをあげましょう。ささみや鹿肉、サツマイモなどの食材は低脂肪なことから、膵炎のわんちゃんにあげても良いとされています。

ただし低脂肪だからといっておやつの回数を多くすると体に大きな負担となってしまうため、注意してください。

 

膵炎のわんちゃんにとって低脂肪の基準は?


一般的なドッグフードの脂質は13〜15%程度とされています。しかし低脂肪ドッグフードだからといって明確な基準は定められていません。そのため、目安として脂質が12%以下のドッグフードを選ぶと良いでしょう。わんちゃんによってはさらに脂質の制限が必要な場合があるので、獣医師に相談のもと脂質の量を調整する必要があります。

 

まとめ





本記事では膵炎のわんちゃんにおすすめのドッグフードやサポートの仕方を解説しました。愛犬が膵炎になった際は、低脂肪かつ消化しやすいごはんに切り替えることが重要です。また、日頃から愛犬の些細な変化に注意することで早期対策ができるでしょう。愛犬の健康に悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にドッグフードを選んでみてください。


 



Written by
監修医:小島 麻里 先生

 

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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