【column】 猫のための防災対策
2022.09.08
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いざ!という時のために用意しておこう!
今年に入ってからも、地震、大雨、火山噴火、など全国各地で自然災害の被害が相次いでいます。8月の大雨による川の氾濫、土石流により甚大な被害を受けたことは記憶に新しいことと思います。
避難勧告、避難指示が出た時、猫ちゃん達を連れての避難!まずは、何をどの程度備えておけばいいのか、確認しておきましょう。
◆備えておきたい防災グッズ
①薬
...現在服用しているもの&目薬や消毒薬など救急箱のようなもの。
②ごはんとお水
...最低5日分、できれば7日分以上。いつも食べているごはんを新品で1袋用意。食器も忘れずに!
③猫砂と猫砂を入れる簡易のケースやペットシーツ、排泄物を処理するもの
④ ブラシ、爪切り、タオル
⑤ ガムテープ、ビニール袋やレジ袋
⑥ 首輪もしくは胴輪とリード
それに加えて、下記も準備しておきましょう。
① ワクチン接種証明書、既往症、かかりつけ動物病院などの情報をまとめたもの。
② 飼い主の連絡先、猫の写真など。
ワクチン接種証明書は、防災グッズの中に入れておくといざという時に探さなくてもいいので安心ですね。普段外に出さない猫ちゃんも1年に1回のワクチン接種は必要です。いざという時に、他の猫ちゃんからウイルスなどをもらったりすることのないよう、定期的な予防を心がけましょう。
これらのものをすぐに持ち出せるよう、一つのリュックサックやカバンにまとめておきましょう。 尚、ごはんは賞味期限がありますので、定期的にチェックして下さい!
避難経路を確認しよう!
みなさまは「ハザードマップ」というものをご存知でしょうか?河川の氾濫、堤防の決壊などによる浸水の危険性をまとめた「洪水ハザードマップ」。
その他、火山噴火に備える「火山防災マップ」、地震災害に備える「地震防災マップ」、液状化災害に備える「液状化被害想定図」、津波・高潮に備える「津波災害予想図」などがあります。
お住まいの地域がどんな自然災害に遭いやすいのか、また、そういった災害が起こった時に、どのルートを通って避難場所まで移動すればいいのか、確認しておきましょう。
猫ちゃんをケージに入れた時は、念のため閉めたケージの上から扉が開かないようにガムテープで固定しましょう。
普段外に出ない猫は、外に出ただけでパニックを起こし、渾身の力でケージを開けようとすることがあります。避難中にケージが開いて、逃げ出してしまったら大変なことになりますので、念には念を入れましょう。
いざ、避難場所へ!
いざ、何かが起こって避難せざるを得ない状況になった場合、ペットと一緒の同行避難が求められます。
「うちの子は他の猫(人)が苦手だから」「ケージに慣れてないから」「怖がりだから」様々な理由で避難そのものを躊躇われる方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、これらは日頃から心がけていくことで解決できることもあります。
例えば、日常過ごす部屋に扉を外した状態のケージをベッドの一つとして設置し、ケージそのものに慣らせましょう。
また、たまに家の中で胴輪を着けてみましょう。胴輪を嫌がることがなくなったら、胴輪とリードを着けてお庭を散歩させてみてもいいかもしれません。
ただ、同行避難と同伴避難は異なり、一緒に避難しても同じ場所で過ごせる可能性は現在のところまだ高くありません。
しかし、2021年8月の大雨の際、福岡県久留米市で飼い主さんとペットが共に過ごせる専用の避難所が開設されました。
また熊本市では、2021年5月に九州動物学院と協定を結び、ペットと避難できる場所を学院内に確保できるようになりました。
一緒に避難して同じ場所で過ごせる、そういった避難所がこれから少しずつ増えてくるはずです。そうなった時に少しでもストレスなく避難生活が送れるよう、また他の人に迷惑をかけなくて済むよう、普段から出来ることは実践することを心がけたいものですね。
Written by
監修医 小林 充子 先生
麻布大学獣医学部を卒業。在学中は国立保険医療科学院のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行う。2010年に目黒区駒場にてキャフェリエペットクリニックを開業。一頭一頭のタイプに合ったオーダーメイドの対応を信条に総合診療を行う。