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【column】 夏を元気に乗り切ろう!

2023.07.07

犬猫通信 for DOG

夏に強いカラダをつくろう!

夏本番の暑さ、皆様お元気でお過ごしでしょうか?
この夏は昨年以上の酷暑が予想されています。 今後もこの酷暑の夏は続く予想がされており、人にとっても犬にとっても「夏に負けないカラダ」作りは急務となっています。

「暑熱順化」という言葉をご存知でしょうか?適度な運動で体温を上げ、体を暑さに慣らすことを言います。暑熱順化を行うと、発汗量が増え、汗に含まれる塩分濃度が低くなり、末梢血管(とくに皮膚への血管)が拡張し、循環血液量が増加します。

順化したカラダは、体温の上昇を防ぎ、体内のミネラルを保持することで痙攣や意識障害などの熱中症の症状を予防することもできます

犬はご存知の通り、体表面から発汗することはできません。つまり汗をかくことで体温を下げることはできませんが、皮膚血管の拡張を促し、体表面から気化熱で多少の放熱をすることは可能です。循環血液量が増加することも体温を低下させる一助となります。

暑さに強いカラダをつくる上でもう一つ重要なポイントは筋肉量を増やす、もしくはしっかり維持することです。筋肉の水分保持量は体内の水分保持量より多いので、筋肉量が増えると体内で貯蔵できる水分量が増えることになります。

暑熱順化させ、筋肉量を増やすためにはやはりある程度の運動が必要です。「絶対に無理をしない」ということが何よりも大切ですが、無理のない範囲で30℃くらいの気温の時に30分程度、ちょっと早足程度、小走りでお散歩をしてみましょう。うまくすれば2週間程度でだいぶ順化するはずです。



便利な夏グッズを上手に活用しよう!



暑い夏を涼しく過ごすためのグッズ、みなさまも既に色々とお持ちかもしれません。

日中暑い時間に移動する時は、カートやキャリーバッグで移動する方が安全です。扇風機や、クールマットなどを敷いてあげるとより涼しく移動できますね。

保冷剤を使ったひんやり系グッズとしては、首に巻くもの、腰に巻くものなどがあります。いずれも体温を下げるポイントをしっかり冷やしてくれるので体温の上昇を抑えてくれるでしょう。

接触冷感の生地を使って、より涼しく感じることのできる洋服も次々と販売されています。 またペット家電も年々充実してきました。

今まで温かいホットマットというのはありましたが、新しく冷暖プレートという冷たくひんやりとした温度を保つことのできるマットができました。室温よりおよそ5℃低い温度を維持するそうです。

ペットハウスにも冷暖房完備のものが出てきています。電気を使うものではなく、付属の大きな保冷剤で冷気を維持するようなので、電気代がかからない、というのもいいですね。



夏を乗り越えるために食生活を見直そう

暑い夏を元気に過ごすためには、疲労が蓄積しないよう、また効率よくカロリーや栄養を摂取できるようにしたいところです。

夏場は暑さのため食欲も落ちてしまいがちです。そんな時にはいつもの食事を少し減らして、食欲が増すようなトッピングを考えてあげるといいですね。

食材としては、ビタミンB1を多く含む豚肉うなぎ、糖の代謝を促し疲れを取る作用のあるリジンを多く含む牛肉の赤身、肝機能を助けるタウリンを多く含む魚の血合いなどがいいでしょう。

さらにこういった栄養価の高いものに、代謝を促す食材を組み合わせて食べさせるとさらに効果的です。例えば、利尿作用のある小豆枝豆、新陳代謝を良くするイワシなどがその代表格です。

また水分を摂らせる目的で、きゅうりレタススイカなどの果物をあげるのもいいと思います。

暑い夏に負けないカラダを作り、少しでも涼しく快適に、元気に乗り越えていきたいですね!


 



Written by
監修医 小林 充子 先生


麻布大学獣医学部を卒業。在学中は国立保険医療科学院のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行う。2010年に目黒区駒場にてキャフェリエペットクリニックを開業。一頭一頭のタイプに合ったオーダーメイドの対応を信条に総合診療を行う。
 
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