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【column】 正しいオーラルケアをはじめよう

2023.10.02 | 犬猫通信 for CAT

猫ちゃんの口の中について知ろう!


うちの子って何本歯があるの?いつ頃生え変わるの?
知っているようで知らない疑問がたくさんありませんか?

猫の乳歯は生後2〜3週目に小さな切歯(前歯)が生え始めるところから始まります。生後3週を過ぎた頃から犬歯が、その後臼歯が生え始め、だいたい6〜7週目くらいまでには全ての乳歯が生え揃います。 永久歯が生え始めるのは生後3ヶ月目くらいからで、下の切歯から生え変わり始めます。

基本的に下の切歯→上の切歯→下の犬歯→上の犬歯→臼歯の順番で生え変わっていきます。前臼歯が全て生え変わる頃、乳歯の時にはなかった後臼歯も全て生え揃います。そして遅くとも生後8ヶ月頃までには全ての歯が永久歯になります。 永久歯が生えてくると乳歯がグラグラしてきます。

ヒトの場合は、乳歯が抜けた後に永久歯が生えてきますが、猫の場合は永久歯が先に生えてきて乳歯と共存している時間があります。 切歯で0〜数日、下の犬歯が1〜2週間、上の犬歯が2〜3週間ほどです。永久歯が生えているのに乳歯がまだ残っている時も、少しの間は慌てず経過を見守っていきましょう。



猫も歯周病にかかる?口臭の原因は?



歯周病、とは、歯を支えている歯の周りの組織(歯肉や歯槽骨など)が破壊されることで最終的に歯を失う進行性の炎症性疾患のことを言います。

歯周病の原因であり、また口臭の原因でもある歯垢(プラーク)の中に潜む歯周病原細菌は何種類か存在し、ヒトの歯周病菌とは違う細菌が主に悪さをしていると言われています。

これらの細菌は嫌気性菌と言われ、酸素のないところを好んで繁殖するので、歯周ポケットの中やプラークの中が格好の住処となります。 2歳以上の猫のおよそ80%が何らかの歯周病の徴候を持っていると言われています。歯周炎になる前の段階で何とかこれらの歯周病原因菌を除去していきたいものです。

また「破歯細胞吸収病変(FORLs)」という病気もまた口臭の原因です。
これは、歯根が顎の骨にどんどん吸収されてしまう病気で現在のところ原因はわかっていません。 1歳以上の猫は高い確率で少なくとも1カ所のFORLsがあり、中年期になると純血腫の80%、雑種猫の40%がこの病気にかかっていると言われています。

他の歯に比べて痩せて色が黄色っぽく、歯肉が赤く腫れてグラグラした歯があったら、これの可能性があります。 何の対策をしなくても、そのうち抜けてしまう歯ですが、その間の口臭はひどく、また歯が揺れる痛みと違和感で食欲がなくなることも多いので、早めにかかりつけの病院で相談なさると良いでしょう。



オーラルケア、何をしてあげれば良い?

プラークが歯の表面に付着し、口腔内の細菌がその中で繁殖し始めるまでに24時間程度、その歯垢が歯石になるまでに早ければ3日程度と言われています。

オーラルケアは、歯垢を取る、歯垢を付着させない、口腔内の悪玉菌を減らす、善玉菌(乳酸菌)を増やす、がポイントになります。

歯垢の除去にはやはり歯ブラシなどを使って物理的に除去するのが一番です。ヘッドが小さく柔らかめのブラシで、猫が好むペーストやジェルを塗って優しく研磨しましょう。

歯ブラシが難しいようでしたら、歯磨きシートやガーゼを使ってもいいですし、ペーストを塗布した指先で直接歯に塗り込んでもいいかと思います。 しかし、猫の口は後ろの方へ開きにくい構造になっている上、口を触られることを嫌がる猫も多いことから、毎日の歯磨きが難しい場合もあるでしょう。

最近では猫用の歯磨きガム、トリーツや舐めるタイプ、口腔内用の乳酸菌サプリメントなど手軽に始められるオーラルケア用品が出てきていますので、そういったものを上手に使っていくといいと思います。

オーラルケアの一番大切な事は、「毎日続けること」です。継続するために必要なことは、飼い主さんにとっても、猫にとってもストレスにならないことです。

持続可能ないい方法を探して、口の中の健康を保ってあげたいですね!

 



Written by
監修医 小林 充子 先生


麻布大学獣医学部を卒業。在学中は国立保険医療科学院のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行う。2010年に目黒区駒場にてキャフェリエペットクリニックを開業。一頭一頭のタイプに合ったオーダーメイドの対応を信条に総合診療を行う。