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【column】 それ、食べていいもの? 誤食に注意しよう

2024.02.16 | 犬猫通信 for CAT

食べてはいけないものは、チョコレートや玉ねぎだけではない!?


普段私たちは様々な食材を食べていますが、一方で猫たちは食べられるものと食べられないものが存在しています。

<1口でも食べさせてはダメなもの>
玉ねぎ・ネギ・ニラ・ニンニク・らっきょう、
チョコレート・ココア・コーヒー、
ぶどう・干しぶどう、アルコール


 <食べないように注意させたいもの>

生のイカ・エビ・タコ・カニなど、
キシリトール


 <植物>
ユリ科の植物:根から花まで全て
ナス科の植物:実・葉・茎・根
ツツジ科の植物:花・葉・茎・根 精油(エッセンシャルオイル)

全て 上記はごく一部です。

お散歩途中に見かけるもの、お家の中にある観葉植物、生花などにも十分な注意が必要です。植物に関心を示す子の場合は置かない方がいいかもしれませんね。



もし食べてしまったら...


ではこれらの中で特に気を付けたい食べ物について詳しく解説していきましょう。

①チョコレート・ココア


これらの原材料であるカカオ豆には「テオブロミン」や「カフェイン」という物質が含まれています。
テオブロミンの致死量は体重1kgあたり200mgと言われていますが、20mgで軽度、40〜50mgで重度、60mg摂取すると発作を起こすことが多いようです。

テオブロミンの含有量はカカオの含有量に比例し、チョコレートの種類によって異なります。
板チョコ1枚(50g)あたりのテオブロミン(以下テ))とカフェイン(カ))含有量の目安は下記の通りです。

カカオ99%:テ)550mg カ)60mg
カカオ86%:テ)495mg カ)46.5mg
カカオ41%:テ)135mg カ)28mg

カカオ99%の板チョコの場合、3kgの猫だと1/10枚で症状が出てくる可能性があります。
中毒症状は食べて2〜6時間程度で出てきます。嘔吐下痢などの消化器症状、落ち着きがなくなったりした後、ひどい場合には頻脈、痙攣を起こし最悪の場合死に至ります。



②玉ねぎなどネギ類


玉ねぎには「有機チオ硫酸化合物」が含まれており、猫たちがこれを摂取すると赤血球が破壊され、溶血による貧血になります。症状が出るまでに24時間以上、場合によっては数日ほど時間がかかります。

玉ねぎは体重1kgあたり5gを食べると中毒症状が出てきます。一般的に玉ねぎはMサイズで200g程度となるので、ごく少量で中毒症状が出ることになります

有機チオ硫酸化合物は、加熱してもその毒性は無くなることはありません。そのためハンバーグ、餃子など嗜好性の高い食べ物には特に注意が必要です。またこれらのエキスが溶け出したスープ類にも含まれますので、注意しましょう。



③ユリ


ユリは香りがよく華やかで、花束などにもよく入っています。しかし、猫にとっては猛毒の植物です。

猫たちがユリを摂取すると、嘔吐下痢といった消化器症状、急に元気がなくなったりしますが、一番恐ろしいのは急性腎不全を起こすことです。数時間以内に症状が現れますが、急性腎不全を起こすと数日で亡くなってしまうケースもあります。

ユリの花から根までどの部分も危険だと言われていますが、ユリを活けていた花瓶の水にも中毒物質が溶解するため、花瓶の水にも注意が必要です。

ユリの毒性物質、また中毒に至る量などは未だ特定できておらず、ごく少量でも症状が現れる可能性があります。 ユリ科の他の植物、例えばチューリップカタクリヒヤシンスなども同様の中毒症状を引き起こしますので、十分に注意しましょう。



誤食させないように日々気をつけること


当然のことですが、誤食させないよう、食材の管理は徹底しましょう!

猫は高所に登れますし、中には引出しや棚、冷蔵庫を開ける子もいます。 猫の様子を日々観察し、絶対に開けられないところに保管するようにしましょう。

植物に関しては毒性のある植物は家に置かない方が賢明です。
葉などを好む猫もいますので、どうしても置きたい場合は、安全性が確実である植物のみ置くようにしましょう。

万が一食べてしまったら、何をどのくらい食べたのか把握した上で、かかりつけの動物病院に連絡してすぐに処置してもらうようにしましょう!

 

Written by
監修医 小林 充子 先生


麻布大学獣医学部を卒業。在学中は国立保険医療科学院のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行う。2010年に目黒区駒場にてキャフェリエペットクリニックを開業。一頭一頭のタイプに合ったオーダーメイドの対応を信条に総合診療を行う。