【column】 おやつ大好き！！ おやつについて知ろう

「おやつ」という言葉は「八つ時（現在の15時頃）」に、食事と食事の間の空腹を満たす間食のことを言います。 もともと昔の日本人にとってのおやつは、1日の食事の中で不足している栄養素を補うためだったり、一時的なエネルギーやカロリーを補うためだったりしたものでした。

そういった意味合いでの「おやつ」は猫には必要ありません。1日に必要なカロリーや栄養素はごはんとして摂取しているからです。 また、犬のようにしつけやトレーニングのご褒美ツールとして使うことも少ないでしょう。

猫におやつをあげるメリットとしては、飼い主さんとの関係性をより良いものにする、ストレスのケア、嫌なことを乗り切ったご褒美、食欲がない時のサポート、といったものが挙げられます。

猫はもともと狩りをしてその日の餌を確保する動物です。室内飼いの猫にそういった習性はあまり役に立ちませんし必要ありませんが、その習慣は本能として残っています。 その欲求を満足させるために、1日の中でおもちゃを使って遊び（＝狩りをする）、その後おやつをあげる（＝美味しい獲物を獲得する）、ことは非常に有効な手段と言えます。

また、爪切りや病院への通院など、大きなストレスがかかる時、またかかった後のご褒美としてあげるのもいい使い方です。これがストレスのケアであり、また飼い主さんとの絆を深めることにも繋がります。

おやつは嗜好性の高いものが多いので、あまり食欲がない時に栄養を補給する目的で、またそのおやつで食欲を刺激する目的で使うのも有効です。 ただ、おやつはあくまで間食です。ですので、1日の必要カロリーの20％を超えないように調整してあげましょう！

猫のおやつとして有名なものは、やはり液状タイプのものでしょう。嗜好性が抜群で、食欲のない猫ちゃんには総合栄養食タイプ、また高カロリータイプが重宝します。

また水分摂取量がどうしても少なくなりがちな猫にとって、こういった液状タイプのおやつは水分摂取の一助にもなります。好きな液状タイプのおやつに少し水を足すことで、より多めに水分を摂取することができます。

その他に、ドライタイプ、動物性たんぱく質を素材そのまま加工したものなどがあり、こちらも嗜好性抜群です。 また煮干しや鰹節なども猫の好物ですが、ヒト用のものは塩分やミネラル過多となりますので、必ず猫用に加工されたものをあげるようにして下さい。

また、アレルギー、尿路結石など持病があり療法食を食べている子も注意が必要です。基本的にはあげない方がいいと思いますが、どうしても与えたいおやつがある場合は、与えても大丈夫かどうか、かかりつけの先生に確認しましょう！


おやつっていつ頃からあげていいのかな？

仔猫の時からおやつをあげていいですか？とよく聞かれますが、やめておいた方がいいでしょう。

そもそも仔猫の時は、1日4、5回に分けてご飯をあげますので、おやつをあげる時間がありません。 体が成長し、消化管などの内臓がしっかりと出来上がってきたらあげるようにしましょう。

ただし、外にいた子を保護した時など、人馴れ訓練をさせたい仔猫の場合は別です。嗜好性の高いおやつをあげながら優しく体を触り、人の手が怖くないものであることを教えてあげましょう。

また、食欲の落ちてきたシニア猫にもおやつは有効です。近年、総合栄養食でなおかつ嗜好性の高いおやつタイプのものがたくさん販売されています。そういったものを上手に使って、必要な栄養素を補ってあげましょう。

猫たちにとっておやつの時間は、美味しいものをもらえる特別な時間です。必ずしも必要なものではないものの、おやつをあげるメリットは十分にあります。 ただし、カロリー過多にならないよう、またあげ過ぎることのないよう注意しながら、猫たちとの幸せな時間を楽しみたいですね！