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【column】犬にとっていい香りって どんな香り?

2024.10.18

犬猫通信 for DOG

犬の「好きな香り」「嫌いな香り」って どんな香り?

朝起きてうちの子の顔を見た時、ツヤツヤと濡れている鼻を見て、今日も元気だ!と安心します。でもなぜ鼻が濡れていると元気な証拠なのでしょう?

鼻は1日中濡らしておくために、中型犬で500ml程度の水分分泌が必要になると言われており、元気で食欲がないとそれだけの量の水分を摂取できず、また発熱や炎症など体内で水分を消費されるような状態になると鼻は乾いていきます。なので、鼻が濡れていることは健康のバロメーターになるのです。

犬もヒトも鼻の中に嗅上皮と言われる粘膜を持っています。この粘膜を構成している細胞が嗅細胞 です。ヒトの嗅上皮の面積は3~7㎠で1円玉~10 円玉程度の大きさで、嗅細胞の数はおよそ500万個程ですが、犬の嗅上皮は15~150㎠もあり、1000円札1枚分程、含まれる嗅細胞の数はおよそ 2億2000万~3億個と言われており、その規模が全く違います。そして鼻の表面には細かい溝があり ここに蓄えられている水分が匂い分子を吸着する のです。

犬の嗅覚はヒトの1000倍~1億倍敏感と言われています。倍率にだいぶ差がありますが、基本的に動物の発する有機物の臭いにはとても敏感です。 動物の出す汗や血液、体液の匂いなどがそれに当たります。もともとは狩りをする際になくてはならない能力でしたが、群れの仲間の匂いや、飼い主さんの匂いを覚えるために欠かせない能力となっています。

他にも食べ物の匂いをはじめ、その子にとって「心地よい」と思われる匂いに関しては敏感です。 逆に自然界に存在しない化学物質の匂い、例えば香水や柔軟剤、消臭スプレー、化粧品などは苦手です。

またタバコやアルコールは香りを含め摂取してはいけないものですが、飼い主さんからいつも香るものであれば、「飼い主さんの匂い」と認識するようになるので、受け入れられることがあります。

ただ「好きな匂い」でも体にとって毒となる場合があります。例えば、先ほどのタバコは受動喫煙によ り鼻腔・副鼻腔、肺など呼吸器に癌を発生させる可能性がありますし、柑橘系やレモングラスなどに含まれているシトラールという成分は犬にとっては神経毒性があり、吸入させるのは危険です。



フレーメン反応ってどんな時にするの?



熱中症は「高温多湿」の環境下において、高体温及び脱水によって起こる全身疾患のことをいいます。 体温が上がることで細胞を構成するたんぱく質が変性し、細胞そのものがダメージを受けます。それに伴い全ての臓器の機能が著しく低下し、深刻な状態に陥ります。

具体的には、開口呼吸、頻脈、粘膜の充血やうっ血、がまず見られます。さらに症状が進むと、流涎、運動失調、嘔吐・下痢・下血などの消化器症状、乏尿、無尿などが見られ、痙攣発作、虚脱、意識消失から昏睡状態に陥り、最終的に心肺停止することになります。

重度の脱水などから急性腎不全が起こりやすく(乏尿や無尿)、低血糖もよく見られます。 また消化管粘膜の細胞がダメージを受けると、腸内細菌が腸粘膜から侵入し、他の臓器へと移動します。その結果、敗血症や、全身性炎症反応症候群(SIRS)、多臓器不全を起こすきっかけとなってしまいます。

こういった変化は体温が正常に戻った後にも進行する可能性があります。体温が下がったから大丈夫、と安心することができないところが、熱中症の怖いところなのです。

熱中症の治療で大切なのはとにかく一刻も早く「体温を下げる」ことです。ただし急激に下げると内臓により強いダメージを与える可能性があるので、ゆっくりと下げていく必要があります。

まず、水で濡らしたタオルを体中にかけてあげましょう。その上で、扇風機やうちわなどで風を送り、気化熱を利用して体温を徐々に下げていきます。 風を当てていると段々水分が蒸発するので、タオルも乾いてきたら再度しっかり濡らしてかけ直して下さい。

そして一刻も早く動物病院を受診することです。一見何もなさそうでも、体の中で何が起こっているかわからないのが、熱中症の怖いところです。必ず受診し、検査をしてもらいましょう。




夏バテ知らずのカラダを作ろう!




まずは筋肉量の維持に努めましょう!1日10〜20分でいいのでしっかり遊ばせながら運動させましょう。筋肉量が多いと代謝が良くなるだけでなく、体内水分保持量も増加します。

保持できる水分量が増えることは、暑さに強いカラダつくりに非常に役立ちます。また、筋肉量に比例して活動性が上がり、ある種のサイトカインの分泌が促進され、ストレス解消にも役に立つと言われています。

筋肉を維持するために必要な栄養素といえば、タンパク質です。特に猫は動物性タンパク質を好みますし、カラダの作りもそれらを消化しやすいようにできています。良質なタンパク質をしっかりと与えるようにしましょう!

水分補給も大切ですが、猫に水を飲ませるのは意外と大変です。材質の違う器を用意したり、温度の異なる水をあげてみたり、ファウンテンタイプの水飲み器を設置したりしてみましょう。

今夏も酷暑が予想されています。夏に強いカラダを作って元気に夏を乗り越えたいですね!

 

Written by
監修医 小林 充子 先生


麻布大学獣医学部を卒業。在学中は国立保険医療科学院のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行う。2010年に目黒区駒場にてキャフェリエペットクリニックを開業。一頭一頭のタイプに合ったオーダーメイドの対応を信条に総合診療を行う。
 
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