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【column】今日も一緒に「おやすみなさい」

2025.02.18

犬猫通信 for CAT

飼い主さんと一緒に寝たがる猫ってどんなタイプ?

冬になると、寒さに弱い猫は暖かい場所を求めて、家の中をウロウロします。
飼い主さんが眠るベッドは暖かくてふかふかしていて、猫にとっては非常に魅力的な場所です。
飼い主さんが眠るとき、一緒に寝ようとする猫ってどんなタイプなのでしょう?

猫はもともと縄張りを作り単独で生活する、警戒心が強い動物です。外で生活する猫にとって「眠る」という行為は非常に無防備、かつ危険なものです。そういった習性は完全室内飼いの猫にも残っています。ですので、飼い主さんと一緒に寝たがる猫は、飼い主さんを心から信頼している証と言えます。

飼い主さんの膝の上、または体の一部でふみふみゴロゴロする猫は、とても甘えん坊です。母猫に守られ授乳してもらっていた子猫の頃を思い出し、飼い主さんの側で安心して守られている気持ちになっているのでしょう。そうやって安心して守られている一方で、飼い主さんのことを独占し、守ろうとする気持ちも持っています。

また猫がベッドのどこで眠るか、によっても、猫の心理状態が読み取れます。
飼い主さんの枕元で寝ようとする子は、飼い主さんへの信頼度がとても大きいと言えます。特に顔の近くで眠る子は飼い主さんへの好感度もMAX、一方で何かあった時に飼い主さんを守ろうとする現れでもあります。

飼い主さんへの信頼度、好感度、甘えは顔から離れるほど薄れていくと言われています。腕の間や股の間で寝ようとする子は腕や足に囲まれて安心するから、足元で寝る子は甘えたい気持ちはあるけど、元々の警戒心が強め、いわゆるツンデレタイプが多いでしょう。

多頭飼いの場合、飼い主さんのベッドの上で微妙な縄張り争いが起こります。枕元を独占したがる猫ほど飼い主さんへの愛が強いと言えますね!
違う部屋やベッドから離れた場所で眠る子は、警戒心、縄張り意識が強い傾向があります。でもだからと言って飼い主さんへの信頼度が低い、とは限りません。以前一緒に寝ていて踏まれたり、蹴り飛ばされるなど怖い思いをした子はそれ以降一緒に寝なくなる可能性があります。

また飼い主さんが見えるけれども離れた場所で眠る子は、遠くから飼い主さんを見守っているという可能性もあります。
どこで眠るかによって、猫たちの心理状態が読み取れるのは面白いですね。



飼い主さんと同じベッドで「おやすみなさい」はいいこと?悪いこと?



猫は自分たちの気分によって、その時々で最も心地よい場所で眠りにつきます。
飼い主さんにとっても、自分に寄り添った猫の柔らかい体、少し高い体温、そしてゴロゴロ音に触れることで、自身の呼吸・心拍が安定し、深いリラックス効果があるだけでなく、血圧を下げたり、セロトニンの分泌が促進されたり、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑えたりする効果があることがわかっています。

デメリットとしては、まずアレルギーや衛生に関する問題です。猫の被毛、フケなどがアレルゲンになる可能性がありますし、猫の身体に着いた汚れや細菌などが寝具に付着することは衛生的に問題です。

また、一緒に眠ることで深い睡眠を得られる可能性がある一方で、逆に睡眠が浅くなるケースもあります。寝返りを打とうとした時に猫が気持ちよさそうに寝ていると、起こすことが忍びなくて寝返りが打てず、朝起きた時に体が凝っている、などということがあります。
逆に猫が夜中に動いたり寝る場所を変えたりする時に、眠りを妨げられてしまうケースもあります。
猫はそもそも一緒に寝たくなければベッドに寄ってきませんので、猫にとってのデメリットはあまりないでしょう。



一緒に眠るために必要なこと




お互いが快適に、そしてリラックスした良い睡眠環境を整えるために、
寝具類は常に清潔に保っておきましょう。
猫は自分でグルーミングして清潔に保とうとしますが、全ての汚れが取れる訳ではありません。
ブラッシングして被毛についた汚れなど取ってあげるといいでしょう。定期的なノミダニの駆虫・予防も必要になります。

居心地の良い、暖かい場所で一緒に眠れることができれば、猫との絆も一層深まるかもしれません。
今日も一緒におやすみなさい。

 

Written by
監修医 小林 充子 先生


麻布大学獣医学部を卒業。在学中は国立保険医療科学院のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行う。2010年に目黒区駒場にてキャフェリエペットクリニックを開業。一頭一頭のタイプに合ったオーダーメイドの対応を信条に総合診療を行う。
 
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