猫がイカ耳するときの気持ちは?理由やどんなときにするのかを解説
2025.05.02
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ねこちゃんのイカ耳とは?
ねこちゃんのイカ耳とは、耳を横に向かってピンと張った状態のこと。その姿がイカのシルエットに似ていることが“イカ耳”と呼ばれる由来です。
耳を外側に向けることで、小さな物音も聞き取りやすくなるため、警戒しているときや恐怖心をもっているときにイカ耳をする姿が多く見られます。
ねこちゃんがイカ耳をするときの気持ち
ねこちゃんがイカ耳をするときは、警戒や恐怖心を持っているときのほか、リラックスをしているときもあります。ねこちゃんがイカ耳になるときはどんな気持ちなのか理由を見ていきましょう。
警戒心や恐怖心を持っている

ねこちゃんは、警戒心や恐怖心を持っているときにイカ耳になりやすいです。これは「怖い」「これ以上近づかないで」という気持ちを表している場合が多く、近づくと「シャー」と威嚇されたり、攻撃されたりする可能性もあるため注意しましょう。
ねこちゃんが警戒心や恐怖心を持っているときは、下記のような動作も見られます。
- ・全身に力が入っていて縮こまっている
- ・しっぽが垂れ下がっている
- ・目を見開いている
- ・ひげが後ろ側に向けて顔にくっついている
- ・尻尾をお腹の下にしまっている
このような変化もないか確認することで、ねこちゃんの気持ちを読み取りやすくなるでしょう。
集中している

ねこちゃんは、何かに集中しているときもイカ耳になる姿が見られます。おもちゃやほかのねこちゃんなど興味があるものに対して「これはなんだろう?」「もっとよく知りたい」と聞き耳をたてている場合が考えられるでしょう。
怒りや不満を感じている

ねこちゃんが怒りや不満を感じているときにも耳に力が入り、耳が後ろに大きく反ります。怒りや不満の程度にもよりますが「もっとかまってほしい」「近づかないで!」という気持ちを表現しているのでしょう。
気持ちが強いほど耳が反る角度が大きくなるといわれており、強い怒りや不満を感じている場合があります。
リラックスしている

ねこちゃんは「眠い」「気持ちがいい」といったリラックスしている状態のときにもイカ耳をします。警戒心や恐怖心によるイカ耳との違いは、目をつぶる、ゴロゴロいうといった甘い表情や動作で読み取ることができるでしょう。
愛猫がイカ耳になるのはどんなとき?

ここからは、実際にどんなときにねこちゃんがイカ耳になるのかを紹介します。
慣れない環境に警戒しているとき
ねこちゃんは、新しい家族にお迎えされたときに、慣れない人や環境に警戒してイカ耳をする場合があります。
新しい環境に慣れるまでの期間は、ねこちゃんそれぞれによって違うので、落ち着くまでそっとしてあげるのがよいでしょう。
物音や人に驚いたとき
ねこちゃんは、聞きなれない物音がしたときや、知らない人が来客したときにも興味や緊張によってイカ耳をします。人間よりも聴覚が優れており小さな音に敏感なので、私たち家族が気づかないことにも興味を示したり、警戒したりする時にイカ耳になることが多いようです。
おやつを食べてリラックスしているとき
おやつを食べてリラックスしているときや、ご家族に撫でられているとき、まどろんでいるときなどにイカ耳をする様子が見られることも多いようです。
恐怖心や警戒心のときのイカ耳のときとは違い、目をつぶったり、ひげが下がったりと表情がやわらかくなるのが特徴です。
おもちゃを狙っているとき
ねこちゃんは、おもちゃを狙っているときも集中モードになるためイカ耳をする姿が見られます。
おもちゃに狙いをつけているときや、ほかのねこちゃんと遊んでいるときなど、好奇心が溢れているときにイカ耳になることが多いようです。集中状態のときは、瞳孔が普段よりも少し開いているので確認してみましょう。
ねこちゃんがイカ耳のときの注意点

愛猫がイカ耳のときは、不用意に触ったり、驚かせたりしないようにしましょう。とくに警戒心や恐怖心をもっているとき、怒りや不満を感じているときは、攻撃されてしまう場合もあります。
また、ねこちゃんが逃げてしまったり、何かにぶつかってけがをしてしまったりする可能性もあるので注意が必要です。リラックスしていたり、かまってほしかったり、ポジティブな理由であることが明らかな場合以外は様子を見守り、落ち着くのを待ってあげましょう。
イカ耳だけじゃない!ねこちゃんの耳の状態で読み取れること

ねこちゃんは、イカ耳以外にも耳の状態で感情や変化を読み取れることがあります。ここでは、耳の状態で読み取れる感情について紹介します。
耳を前方に向けている
ねこちゃんが耳を前方に向けている場合は、何かに興味を感じているときです。何かに注意していたり、物音がしたりしたときに耳をピンとたてます。
耳をよく動かしている
ねこちゃんが耳をよく動かしているときは、興味や好奇心、警戒をしている状態です。なにか気になる音が聞こえたときに、その音が発生している場所や位置などを確認しようとしています。
片方だけイカ耳のように曲がっている
ねこちゃんの耳が片方だけイカ耳のように曲がっている場合は、異物が入ってしまったり、外耳炎などになっていたりする場合があります。いくつかの原因が考えられるため、早めに病院で診てもらうのがおすすめです。
まとめ

ねこちゃんのイカ耳は、警戒心や恐怖心からくるものが多い一方で、リラックスしているときといったうれしいときもあります。耳の角度や表情、動作などから愛猫の気持ちを読み取り、日々のコミュニケーションに役立ててみてください。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。