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愛猫が毛玉を吐く原因とは?吐いた後の予防策を紹介

2025.03.14

コラム

愛猫が毛玉を吐く、または苦しそうだが吐き出せない時は心配になるものです。ねこちゃんが毛玉を吐くことは一般的にありますが、嘔吐物の内容や頻度によっては獣医師に相談した方が良い場合もあります。吐いた後の食事や予防策のフード、マッサージ方法についても解説していきます。

 

ねこちゃんが毛玉を吐くのはなぜ?





 

ねこちゃんが毛玉を吐くのは、胃に溜まった毛を排出するためです。ねこちゃんは毛づくろいをして体を清潔に保ちます。また、体温調整や気持ちを落ち着けるために行う習性もあり、日常的に毛づくろいをする生き物です。

毛づくろいで飲み込んだ毛は消化されず胃の中で毛玉となり、通常は便と一緒に排出されますが、たまに毛玉として吐くことがあります。

そわそわした行動や口の周りをペロペロ舐める様子を見ると、吐く前兆かと心配になる事がありますよね。吐き出す直前に「ケポケポ」と喉を鳴らして嘔吐し、吐いた後は意外とすっきりした様子で変化がみられず、ねこちゃんの体調が気になる家族も多いのではないでしょうか。


 

毎日は多い?ねこちゃんが毛玉を吐き出す頻度





毛玉を吐く頻度は、ねこちゃんの毛質や毛づくろいの頻度により異なります。一般的には月に2-3回程度とされています。

ただし、毎日のように吐く場合や全く吐かない(吐きたそうにしているが吐けない)場合は、その他の体調不良と関連している可能性もあるので、注意してあげるようにしましょう。

 

吐かなくても問題ない?

個体差があるため、ねこちゃんが毛玉を吐かなくても過度に心配する必要はありません。便とともに毛が適切に排出されている場合、嘔吐がなくても問題ないことがあります。

ただし、便秘や軟便、食欲不振など​​が見られる場合や、吐きたそうな仕草が続いている場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。


嘔吐物の内容は?

胃に溜まった毛は、毛玉として排出されます。見た目や色はねこちゃんの毛質によって異なり、長毛種では大きな毛玉を吐くことが多いです。嘔吐物には毛玉だけでなく、胃液やフードが混ざるため、茶色く汚れている場合もあります。

 

注意したいねこちゃんの吐き方





ねこちゃんは、毛玉の排出以外にも吐くことがあります。以下の症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
 
  • ・1日に何度も吐く
  • ・食欲がない
  • ・元気がない
  • ・下痢・便秘が続いている
  • ・苦しそうだが吐けない
  • ・嘔吐物に異物が混ざっている

心配や不安を感じたときは、ねこちゃんが吐いたタイミングや嘔吐物の大きさ、色、頻度を記録しておきましょう。さらに、スマホで画像や動画を撮影しておけば、受診時に獣医師へ状況を正確に伝えられます。


 

毛玉が引き起こす、ねこちゃんの毛球症とは





毛球症は、毛づくろいで飲み込んだ毛が体内に蓄積し、胃や腸に毛玉が溜まることで引き起こされる病気です。特に、長期間にわたって毛玉を吐けない場合や、毛が便として十分に排出されない場合に発症するリスクが高まります。毛球症の主な症状は、以下の通りです。

【毛球症の主な症状】

 
  • ・嘔吐の頻度が増える
  • ・胃液を吐く
  • ・食欲の低下
  • ・便秘や軟便

診断には、獣医師による問診や触診、必要に応じた画像検査が行われます。軽度の場合は、お薬やサプリメント、食事療法、重度のケースでは手術が必要になることもあります。

毛球症は放置すると命に関わることもあるため、早期発見と適切な治療が重要です。


 

ねこちゃんが毛玉を吐く頻度を抑えるには?





ねこちゃんが毛玉を吐く頻度を抑える方法を4つご紹介します。自宅で気軽にできる方法を厳選しているので、ねこちゃんが吐く回数を減らしたい方はぜひ試してください。
 

1. ブラッシング

定期的なブラッシングは、愛猫の健康維持に重要です。抜け毛の除去や毛玉の予防に効果的で、毛の飲み込みを防ぎます。また、血行促進や健康な被毛の生成をサポートすることにも効果的です。

ブラシは、ねこちゃんの毛の種類や長さに合わせて選びましょう。短毛種にはラバーブラシや獣毛ブラシ、長毛種にはスリッカーブラシやコームが適しています。感触の好みには個体差があるため、ねこちゃんが快適に感じるブラシを探すことが大切です。

ブラッシングに慣れていないねこちゃんは、無理をせず、触られても平気な場所から始めましょう。頭や背中は比較的触らせてくれることが多いです。



2. 毛玉のケアができるフードやサプリメント

ねこちゃんが毛玉を吐きにくくなるような、ケアを行うことも大切です。毛玉ケア用のフードやサプリメントは、胃や腸内で毛を絡め取り、便と一緒に排出しやすくする働きがあります。


3. ねこちゃんのストレスに気をつける

ねこちゃんはストレスを感じると、不安を紛らわせるために毛づくろいの頻度が増えます。その結果、毛を飲み込む量が増え、毛玉を吐く頻度も高くなるのです。

ストレスを防ぐには、ねこちゃんが安心できる環境を整えることが大切。まず、何にストレスを感じているのかを観察し、原因を取り除きましょう。ブラッシングや一緒に遊ぶ時間を作ることで、リラックスを促せることもます。


 

4. マッサージ

ねこちゃんの吐き気は、マッサージにより緩和することが期待できます。前足の外側、人間でいう肘にあたる部分から足先にかけて優しくマッサージしましょう。親指で丁寧に押しながら動かすことでツボが刺激され、吐き気を和らげる効果が期待できます。

また、マッサージは吐き気以外にも、体のかゆみや下痢など、さまざまな症状に有効です。スキンシップの時間にもなるため、ねこちゃんとの信頼関係を深めるきっかけにもなります。


【症状別おすすめマッサージ】
 
よく吐く場合 前足の肘から足先にかけて優しくマッサージ
お腹がゆるい場合 伏せた状態で下腹部を優しくさする
換毛期にかゆがる場合 後ろ足の付け根を優しくつまむ
膀胱炎になりやすい場合 骨盤周辺を軽くつまむ


 

吐いた後の食事は?





ねこちゃんが毛玉を吐いた直後は、胃がデリケートな状態です。そのため、すぐにごはんを与えるのは控えた方が良いでしょう。しばらく様子を観察し、普段と変わらない様子で食べたがる場合は、少量の水やフードを与えてみてください。

体調が回復しない、再び嘔吐するなどの症状が見られる場合は、早めに動物病院で相談することをおすすめします。

 

まとめ





ねこちゃんが毛玉を吐くのは自然な現象ですが、頻度や様子によっては注意が必要です。毛玉を吐く頻度を減らすためには、ブラッシングや毛玉ケア用フードの活用、ストレスを減らす環境作りが有効です。さらに、腎ケア用サプリメントやマッサージを併用することで、ねこちゃんの健康を総合的にサポートできます。ねこちゃんがいつまでも元気に過ごせるよう、適切なケアを心がけましょう。


 


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。


 
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