愛犬の皮膚トラブルの原因は?皮膚トラブルの種類やおすすめフードを紹介
2025.04.18
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わんちゃんの皮膚トラブルとは?代表的な症状

わんちゃんの皮膚トラブルにはさまざまな症状があります。脱毛やフケ、かさぶたなど見た目にわかりやすい症状のほか、細菌や寄生虫による感染など一見わかりにくい症状もあるので注意が必要です。
また、皮膚トラブルの裏に深刻な病気が隠れていることや、気づかないうちに悪化してしまうこともあるので早めに獣医師に相談しましょう。
症状 | 皮膚の状態 |
かゆみ | 頻繁に体を掻いたり舐めたりしている |
脱毛 | 多量の毛が抜けている 一部の毛が切れた状態になっている |
フケ | 大量のフケが目立つ 皮膚が乾燥、あるいはベタベタしている |
かさぶた | 皮膚をかさぶたが覆ったり剥がれかけたりしている |
発疹 | なかに水や膿が入っているブツブツが生じ、皮膚が赤みがかっている |
食事で皮膚トラブルは改善できる?

わんちゃんの皮膚トラブルは、ホルモン異常やアレルギー疾患が背景にあることが多いとされています。なかでもアレルギー性皮膚炎は、食物アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、ノミアレルギー性皮膚炎などに分類されており、わんちゃんによくあるアレルギー疾患です。
食物アレルギーが疑われる場合、血液検査でアレルゲンを特定できる可能性があるアレルギー検査もあります。アレルゲンを取り除くことで、皮膚トラブルが改善できる可能性があります。ただし、検査によって全てのアレルギーが見つけられるわけではない点や費用が高い点には注意しましょう。
主なわんちゃんの皮膚トラブル
- ・アレルギー性皮膚炎
- ・細菌感染で起こる皮膚病
- ・真菌感染で起こる皮膚病
- ・寄生虫感染で起こる皮膚病
- ・ストレスの影響
愛犬の皮膚トラブルは獣医師に相談するのがおすすめ

もし愛犬の皮膚にかゆみや脱毛、フケ、かさぶたなどの症状が見られた場合は、まずは獣医師に相談することがおすすめです。放置していて完全に治るケースは少ないうえ、痒くてかきこわしてしまった箇所からさらに炎症を起こしてしまう可能性もあります。
かゆみに効く飲み薬や塗り薬をはじめ、感染による皮膚病の場合は抗菌シャンプーなどを処方してくれる場合があるので相談してみましょう。また、食物アレルギーがある場合は、ごはんの種類も相談すると良いでしょう。
わんちゃんのごはんの選び方【皮膚ケア】

食物アレルギー性皮膚炎の場合は、愛犬の食事を見直すことによって改善が期待できます。動物病院で購入できるほか、市販でも購入できるので、愛犬の年齢や症状、好みに応じたごはんを選びましょう。ここでは、皮膚ケアができるごはんの選び方を紹介します。
アレルギー反応を引き起こしやすい食物は避ける

アレルギー対策のわんちゃんのごはんを選ぶ際は、牛肉やとうもろこし、大豆など、わんちゃんのアレルゲンとなりやすい食物が使われていないものを選びましょう。アレルゲンの摂取を避けることで、アレルギーのリスクを抑えられます。
主な原材料で、肉類だと牛肉や鶏肉、豚肉はアレルゲンとなりやすいので気をつけましょう。一方で、鹿肉やラム肉、魚はアレルゲンになりにくい食材として知られています。
また、小麦や大麦、ライ麦などの穀物に含まれるタンパク質の一種であるグルテンは、わんちゃんにとって消化しにくく、アレルゲンとなる可能性があります。
タンパク源が単一のごはんにする

アレルギー対策のわんちゃんのごはんを選ぶ際は、タンパク源が単一のものを選ぶことがおすすめです。たとえば牛肉や豚肉、魚と牛肉など複数のタンパク源がブレンドされていると、どの食物に反応しているかが特定できません。
タンパク源が単一のごはんを選べば、万が一アレルギーが引き起こってしまってもアレルゲンを特定しやすく、その後の対応もスムーズに行えます。
オメガ脂肪酸を摂取しやすいもの
愛犬が皮膚炎のアレルギーに悩まされている場合は、皮膚や毛並みの健康を保つオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸が含まれたごはんを選ぶことがおすすめです。オメガ3脂肪酸には皮膚や関節の炎症を抑制する働きが、オメガ6脂肪酸には皮膚の健康を保つ役割があります。どちらもバランス良く摂取することで、皮膚炎のアレルギーが起こりにくくなるでしょう。
余分な添加物が使われていないもの

保存料や着色料など、余分な添加物が含まれているものはなるべく避けるのがおすすめ。保存料や着色料、甘味料などがアレルギーの原因になることもあるので、できるだけシンプルな原材料でできたものを選ぶと良いでしょう。
ただし、添加物が含まれていないごはんは傷みやすいので、食べ切れる量だけを購入するなどの工夫が必要です。
年齢に合ったごはんの硬さ

愛犬の年齢やライフステージに合ったごはんを選ぶことも重要です。成犬には噛みごたえがあり、栄養価が高いドライフードがおすすめ。噛む力が弱い子犬やシニア犬には、嗜好性が高く水分補給がしやすいウェットフードがおすすめです。
また、愛犬の体調や体格など、その時々によって選ぶべきごはんは変わってくるので、定期的に食事の見直しを行いましょう。
犬猫生活の犬用手作りごはんがおすすめ【ピックアップ】

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「犬猫生活 犬用 手作りごはん」は、無添加・グレインフリーのごはんです。10種類以上の肉や野菜をふんだんに使っているので、おいしさを重視する方にもぴったり。
また、人間が食べられるヒューマングレードの食材のみを使っている点も魅力のひとつ。味はポーク、フィッシュ、チキンの3種類がありますが、アレルギーに悩むわんちゃんには単一タンパク質である、チキンとポークがおすすめです。
皮膚のお悩みがある愛犬におすすめなごはん6選

食物アレルギー性皮膚炎の場合は、アレルゲンである可能性が低いごはんに切り替えてみましょう。ここでは、皮膚ケアができる商品を紹介します。ぜひ愛犬に合うごはんを見つけてみてください。
1. アカナ パシフィカドッグ

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「アカナ パシフィカドッグ」は、サバやニシン、メバルなど魚を使ったごはんです。アレルゲンになりにくい魚がメインで、肉や乳製品、卵などの動物原材料が使われていません。
タンパク質が豊富に含まれているので、筋肉や骨、臓器、爪などの健康を保つのにもぴったり。人工着色料や人工香料、人工保存料などの添加物が使われていないのもうれしいポイントです。
2. オリジン 6フィッシュ

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「オリジン 6フィッシュ」は、ニシン、サーモン、アンコウなどの魚を使ったごはんです。アレルゲンになりにくい魚を主原料として作られているので、皮膚ケアに適しています。
消化しにくいグレインを使用していないのもうれしいポイント。オールステージ用で、子犬からシニア犬まで食べ続けられます。
3. アランズナチュラルドッグフード・ラム

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「アランズナチュラルドッグフード・ラム」は、アレルゲンになりにくいラム肉を使用しています。アレルゲンになりやすい牛肉や乳製品、穀物が使われていないのもうれしいポイント。
食物繊維が豊富なサツマイモやオメガ3脂肪酸を含む亜麻仁を使用しているので、便通や皮膚、毛並みのケアも可能です。食べやすい小粒タイプで、小型犬や子犬にも適しています。
4. ペットスタンス 療法食 皮膚ケア(フィッシュ)

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「ペットスタンス 療法食 皮膚ケア(フィッシュ)」は、アレルゲンになりやすい原料を除いたごはんです。主原料にはアレルゲンになりにくいタラを使用しています。
着色料や香料、保存料などの添加物が含まれていない、シンプルな作りなのも魅力のひとつ。優しいタラの香りが、食欲をそそります。
なお、特定の病気や健康状態に合わせて作られた療法食なので、獣医師の相談のもとあげるといいでしょう。
5. ロイヤルカナン 犬用 スキンケア

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「ロイヤルカナン 犬用 スキンケア」は、消化性の高い植物性のタンパク質を使用したごはんです。オメガ3系とオメガ6系不飽和脂肪酸が、皮膚や毛並みの健康をサポートしてくれます。
また、パピー用と成犬用が展開されているので、ライフステージに合わせて選ぶことができます。
なお、特定の病気や健康状態に合わせて作られた療法食なので、獣医師の相談のもとあげるといいでしょう。
6. ピュリナワン ドッグ デリケートなお腹と皮膚の健康ケア

ピュリナワン ドッグ デリケートなお腹と皮膚の健康ケアはこちら
「ピュリナワン ドッグ デリケートなお腹と皮膚の健康ケア」は、お腹と皮膚のケアが同時にできるごはんです。アレルゲンとなりやすい食品をカットし、食欲をそそる生サーモンがふんだんに使われています。
消化しやすいごはんで、わんちゃんのお腹の調子も整えられるのでおすすめです。
皮膚ケアができるごはんに関するQ&A

皮膚ケア用のごはんに関するよくある質問とその答えを紹介します。愛犬の食事の見直しを考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
わんちゃんのフードは海外産・国産どちらがいいの?

海外産、国産どちらの商品が良いか、明確な判断基準はありません。日本に比べて海外の方が添加物などの規制はあるものの、国産でも近年は原材料にこだわった商品が多いとされています。
また、国産のフードであれば生産地がわかりやすいうえ、長距離の輸送がないので保管状態も良いといえるでしょう。
皮膚ケア用のごはんは高い?

皮膚ケア用ごはんは通常のごはんより厳選された原材料を使用し、添加物を極力少なくするなどの工夫がなされているため、高価な傾向があります。
しかし、安価なものは原材料の質が低く、添加物が多い傾向にあるため、価格だけではなく、原材料や栄養バランスなど総合的に判断するのがおすすめです。
療法食にしたら食べてくれない!改善法

いきなり食事を切り替えると、ごはんを食べないことがあります。そのようなときはチーズや魚などをトッピングして食感や味に変化を付けてみましょう。
また、ごはんの主原料の種類を変えるのもひとつの方法です。愛犬の好みの香り・味のごはんを選ぶことで、食欲を取り戻してくれるでしょう。
まとめ

本記事では、わんちゃんの皮膚トラブルの種類や原因、皮膚ケアができるごはんを紹介しました。皮膚トラブルが食物アレルギー性皮膚炎によるものであった場合、ごはんを変更することで症状が緩和されることがあります。皮膚トラブルの原因を知って、早めに対処できるようにしましょう。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。