犬にミネラルウォーターを与えても良い?水の硬度や注意点を解説
2025.04.19
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わんちゃんが飲めるミネラルウォーターの種類

結論からいうと、わんちゃんもミネラルウォーターを飲むことができます。しかし、種類によっては与えない方が良いケースもあるので注意が必要です。
ミネラルウォーターをはじめ、水には硬度という基準があります。水の硬度はカルシウムやマグネシウムなど、ミネラルの含有量を炭酸カルシウムの量に換算して表した値のこと。硬度が100以下は軟水、300以上が硬水とされており、わんちゃんには硬度が100以下の軟水を与えることが推奨されています。
そのため、わんちゃんのためにミネラルウォーターを用意する際は、軟水を用意しましょう。市販の水では、「いろはす」「ボルヴィック」「アサヒ おいしい水」などが軟水に該当します。
炭酸カルシウムの含有量 | 区分 |
60mg/L以下 | 軟水 |
60-120mg/L | 中軟水 |
120-180mg/L | 硬水 |
180mg/L以上 | 超硬水 |
水道水が最適

わんちゃんもミネラルウォーターを飲むことができますが、なるべく水道水を与えるのが良いとされています。ミネラルが豊富に含まれている水を与え続けることで、わんちゃんの体内に結石ができてしまうリスクがあるためです。
また、浄水器を使う場合は水中の塩素が除去された状態となるので、傷みやすくなってしまいます。そのため、浄水器の水を与える場合は早めに飲ませるようにしてください。家庭によってはウォーターサーバーを使っていることもあるでしょう。ミネラルを除去したRO水であれば、問題なく与えられます。
わんちゃんにミネラルウォーターを与える時の注意点

わんちゃんには水道水を与えることが良いとされていますが、ミネラルウォーターを与えることもできます。しかし、与える際はいくつかのポイントに注意しましょう。ここでは、わんちゃんにミネラルウォーターを与える際の注意点を紹介します。
ペット用のものを選ぶ
ミネラルウォーターに含まれているミネラルは、愛犬の体に負担になってしまうこともあります。そのため、なるべくペット用として販売されているミネラルウォーターを選びましょう。
外出時や災害時はペット用のミネラルウォーターを購入することが難しいため、可能であれば備蓄しておくと安心です。
こまめに水を替える

浄水器で処理した水と同様、ミネラルウォーターも塩素消毒がされていません。そのため、雑菌が繁殖しやすいのでこまめに水を変える必要があります。特に炎天下や暑い日は水が傷みやすいので、こまめに水を変えるように気をつけましょう。
わんちゃんにとってのミネラルウォーターの効果

ミネラルウォーターには、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラルが含まれています。人間にとってはミネラルを補給できたり老廃物を流しやすくしたりといったメリットがあるものの、わんちゃんの場合はその限りではありません。
ミネラルがわんちゃんの体に負担となり、尿路結石や消化器症状などを引き起こす可能性があります。そのため、なるべく水道水を飲ませるようにしましょう。
子犬やシニア犬にミネラルウォーターを与えても大丈夫?

子犬やシニア犬であっても、ミネラルウォーターを飲むことは可能です。しかし、愛犬の腎臓や尿管、膀胱などに疾患がある場合は尿路結石や消化器症状が出る場合があります。
健康なわんちゃんが適量のミネラルウォーターを飲むのは問題ありませんが、何らかの疾患がある場合はミネラルウォーターを与えないのが良いでしょう。
わんちゃんに飲ませてはいけない水

基本的に人間が飲める水であれば、わんちゃんも飲むことができます。しかし、自然の水や温泉水、フレーバーがついた水などは飲ませてはいけません。
井戸水や水たまりの水、雨水など自然の水には雑菌や寄生虫が含まれている可能性があります。また、温泉水は無味無臭のことがほとんどですが、ミネラルが含まれていることもあるので注意しましょう。フレーバーつきの水は香料や甘味料などの添加物が含まれているので、わんちゃんに与えてはいけません。
わんちゃんの水についてQ&A

ここでは、わんちゃんの水についてよくある疑問とその答えを紹介します。わんちゃんの水に関する疑問がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
わんちゃんにミネラルウォーターは尿路結石のリスク?
ミネラルウォーターにはカルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラルが含まれています。しかし、ミネラルが豊富に含まれている硬水を飲ませることで、尿路結石や消化器症状のリスクが高まるので注意しましょう。
炭酸水は与えても大丈夫?
炭酸水にはわんちゃんの健康に影響を与える成分は入っていないので、与えても大丈夫とされています。しかし、一部の炭酸水にはミネラルが含まれているので注意しましょう。
また、わんちゃんに炭酸水を飲ませるメリットは特にないため、やむをえない理由がない限り、わんちゃんに炭酸水を飲ませる必要はないといえます。
わんちゃんが必要な一般的な水分量は?
わんちゃんが1日に必要な水分量は、体重1kgあたり約40~60mL程度です。たとえば体重3kgのわんちゃんなら1日150mL程度の水を与える必要があります。
ただし、運動量が多い場合や暑い場合はより多くの水が必要になるケースも。愛犬の体調や環境に合わせて水分量を調節してみてください。
まとめ

本記事ではわんちゃんが飲めるミネラルウォーターの種類や与える際の注意点、ミネラルウォーターの効果を解説しました。ミネラルウォーターの硬度や量に配慮すれば、わんちゃんもミネラルウォーターを飲むことができます。本記事を参考に、愛犬に適した水を用意してみてください。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。