愛犬が吠えるのをやめるトレーニングとは?コツや効果的な対処方法を解説
2025.04.03
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適切なトレーニングを行うためには、吠える理由を理解し、適切な対策を取ることが重要です。本記事では、愛犬が吠える原因と効果的なトレーニング方法について詳しく紹介します。愛犬との暮らしがより快適になるよう、吠え癖を直すための方法を学んでいきましょう。
わんちゃんが吠える理由

過度な吠え癖があるとトラブルにも繋がりやすく、家族としても悩んでしまうことが多いでしょう。 わんちゃんが吠える理由としては、さまざまな原因が考えられます。
まず、吠えること自体は、わんちゃんにとっては自然なコミュニケーションの手段です。「こうしてほしい」「うれしい」「悲しい」といった気持ちを伝えるための、意思表示として吠えているのです。 そのため、吠えることを頭ごなしに叱るのではなく、なぜ吠えてしまうのかを理解し、対策することが重要です。
以下に、わんちゃんが吠える際に考えられる主な原因をまとめました。
わんちゃんが吠える原因 |
直すために必要なこと |
威嚇・警戒吠え |
危険な状態ではないことを知らせる |
要求吠え |
わんちゃんが吠えてもあえて答えず、 |
不安吠え |
環境を整えて慣れさせる |
ストレス吠え |
ストレスの原因を排除する |
興奮吠え |
冷静な態度を取って落ち着かせる |
上記のように、吠える原因によってわんちゃんに取るべき行動は異なります。吠えることをやめさせたいのであれば、まずは過剰に吠えてしまう原因を特定して、どのような対処をすべきか検討しましょう。
わんちゃんが吠えるのをやめさせるトレーニング5つの方法

わんちゃんの吠え癖・無駄吠えを直すには、正しい方法でトレーニングを行うことが大切です。特に子犬のうちからトレーニングを始めると、効果的に直すことができます。
ここでは効果的なトレーニング方法を5つご紹介します。
- 1.吠えている間は無視する
- 2.クレートトレーニングを行う
- 3.吠えたらおすわりや伏せで興奮を落ち着かせる
- 4.吠える原因や対象を取り除く
- 5.散歩や室内遊びでコミュニケーションを取る
それぞれについて見ていきましょう。
1. 吠えている間は無視する

わんちゃんが自己主張で吠えている場合、あえて目を合わせず、吠えに対して反応しないことが ポイントです。
要求された吠えに対して家族が都度反応してしまうと、わんちゃんは「吠えれば反応してもらえる」と学んでしまいます。大切な愛犬が吠えていると構ってあげたくなってしまうかもしれませんが、吠えても何も得られないことを理解してもらいましょう。
子犬のうちからトレーニングをすることで、徐々に吠えるのをやめさせることができます。
2.クレートトレーニングを行う
来客やインターホンなどで威嚇や警戒吠えが見られる場合には、クレートトレーニングが効果的。まず、わんちゃんが吠える原因となる音や状況に対して、安心できる環境(クレート)を用意してあ げましょう。家族の匂いのついたタオルや、好きなおもちゃなどを用意してあげるのもおすすめです。
環境を整えたら、家族や友人にインターホンに協力してもらい、インターホンを鳴らして徐々に来客に慣れさせましょう。クレートの中で静かにしているときには、おやつをあげるなど、褒めてあげ ることもポイントです。
3.吠えたらおすわりや伏せで興奮を落ち着かせる

わんちゃんが興奮して吠えてしまう場合、そのまま放置するとさらにエスカレートしてしまう可能性があります。
興奮して吠え始めたら、冷静に対応してあげるのがポイント。「おすわり」や「伏せ」の指示を出し て、興奮が収まるまで待ちましょう。
4.吠える原因や対象を取り除く

わんちゃんが吠える原因となる対象や状況を取り除いてあげることも、効果的な方法です。
例えば、散歩中に他のわんちゃんを見て吠えてしまう場合、吠えるシチュエーションを避けることも手段のひとつ。人間にも得意不得意があるように、わんちゃんにも怖いものや苦手なものがあります。
まずは吠えやすいシチュエーションを減らすことで防止し、必要に応じて徐々に慣れることができるように工夫しましょう。
5.散歩や室内遊びでコミュニケーションを取る
わんちゃんが吠える原因のなかには、家族とのコミュニケーション不足や、退屈さによるストレスなども考えられます。このようなケースでは、適切に散歩や遊びの時間を確保してあげることでストレスが軽減し、過剰な吠えが収まる可能性があります。
天候などで散歩が難しい場合には、室内で遊んでコミュニケーションを取るだけでも効果的です。
やってはいけないトレーニングの方法

わんちゃんが吠えるからといって頭ごなしに叱ったり、黙らせるためにおやつをあげたりすることはやめましょう。トレーニングの仕方を間違えてしまうと、かえって吠えやすくなってしまうことがあります。
特に以下のトレーニングは避けた方がよいため、注意しましょう。
- ・力強くダメと伝える
- ・とりあえずおやつで黙らせる
- ・大きな音や嫌な音で怖がらせる
力強くダメと伝える
過剰に怒鳴ったり、手を上げたりして「ダメ!」と強く伝えることは避けましょう。わんちゃんが不安を感じたり、興奮したりしてしまい、かえって問題行動に繋がる可能性があります。落ち着いて「おすわり」や「伏せ」の指示を出し、冷静に対応することがポイントです。
とりあえずおやつで黙らせる
おやつをあげることで、一時的に吠えが収まることもあるかもしれません。しかし、吠えるたびにおやつを与えてしまうと、「吠えるとよいことがある」「おやつがもらえる」と学習してしまいます。おやつを使ってトレーニングをする場合には、静かになってからあげるようにするなど、おやつを与えるタイミングに注意が必要です。
大きな音や嫌な音で怖がらせる
わんちゃんが過剰に吠えたとしても、大きな音や嫌な音を立てて怖がらせることは避けましょう。恐怖を与えるだけで、吠えを直す効果は期待できません。
わんちゃんが吠えるのをやめさせるおすすめグッズ
以下に、わんちゃんが吠えるのを防止するために活用できるおすすめグッズをまとめました。過度に吠えることに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
なお、吠えると自動的に超音波を発生させ、吠えるのをやめさせるような「吠え制御装置」はなるべく避けたいところです。最終手段に頼らなくていいように、トレーニングを頑張りましょう。
おすすめグッズ | 用途・特徴 |
コントロールハーネス | 散歩中に興奮して家族よりの前に出るのを防ぐためのハーネス。 |
トレーニング用おやつボックス | 吠えなくなったタイミングでおやつを与えることで 「吠えない方がメリットがある」とわんちゃんに覚えてもらう。 |
愛犬の過度な吠えはトレーニングで直せる!原因に応じて防止しよう
わんちゃんが吠えてしまうときのトレーニング方法について解説しました。わんちゃんが吠えることはコミュニケーションの一環ですが、過度な吠えは理由を特定することが大切です。吠える原因を排除して、適切な防止・トレーニングを実践することで無駄吠えを直しましょう。
なお、場合によっては体調や具合が悪くて吠えている可能性もあります。もしも不調や症状が見られる場合は、獣医師への相談も検討するようにしてください。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。