愛犬が食べてはいけないものとは?危険な食べ物と万が一の対処法
2025.04.07
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わんちゃんが食べてはいけないものとは?

初めて愛犬を家族に迎える方のなかには「食べてはいけないものは?」「加熱して細かくすれば食べていいの?」と不安に思う方もいるかもしれません。
実は、人間にとっては健康によいとされる食べものであっても、わんちゃんにとっては危険な場合があります。犬と人間とでは消化機能や代謝が異なるため、「自分が食べて美味しかったから」という理由で同じように与えてしまうのは危険なのです。
特に小型犬や子犬の場合は体重が軽い分、中毒症状も現れやすくなります。また、高齢犬や持病がある場合も慎重に管理しなければなりません。
わんちゃんが食べてはいけない食品は意外に多く、気づかずに与えてしまうことも少なくありません。まずは危険な食材を知り、愛犬が誤って食べてしまわないように注意しましょう。
わんちゃんが食べてはいけないもの【基本】

野菜や果物、魚介類、動物性食品をはじめ、わんちゃんが食べてはいけないものはたくさんありますが、特に以下のような食べものには注意しましょう。
- ・チョコレート、ココア
- ・キシリトール
- ・マカダミアナッツ
- ・アルコール
- ・刺激物
- ・カフェイン
チョコレート、ココア
チョコレートやココアに含まれる「テオブロミン」という成分により、中毒症状を引き起こす可能性があります。少量でも命にかかわるリスクがあるため、与えないようにしましょう。キシリトール
キシリトールは低カロリーな甘味料として親しまれていますが、わんちゃんにとっては危険です。低血糖や肝不全などの症状を引き起こすリスクがあるため、与えないように注意してください。マカダミアナッツ
マカダミアナッツは震えや嘔吐、元気消失などの症状を引き起こすことがあります。与えないようにしましょう。また、ナッツ類は脂肪分が多く、消化不良を起こすため、避けたほうが無難です。アルコール
わんちゃんはアルコールを分解する力が弱く、少量でも意識障害を引き起こすリスクがあります。体質によっては命に関わる可能性もあるので、人間のような感覚で与えることは絶対に避けましょう。刺激物
辛い食品や刺激の強い食材は消化管にダメージを与えることがあります。下痢や嘔吐を引き起こす原因にもなるので、以下のような香辛料・スパイスなどは避けましょう。- ・わさび
- ・唐辛子
- ・からし
- ・胡椒
- ・山椒
カフェイン
わんちゃんがカフェインを過剰摂取すると、嘔吐や下痢、異常な興奮などを引き起こす可能性があります。家族が飲み残したコーヒーを、誤って愛犬が飲んでしまわないようにくれぐれも注意しましょう。わんちゃんが食べてはいけないもの【野菜編】

野菜にもわんちゃんが食べてはいけないものがあります。特に手作りのごはんを作る方は、気をつけたい食材です。
- ・ねぎ類
- ・いも類
- ・銀杏
ねぎ類
ねぎ類はわんちゃんにとって非常に危険な食材です。玉ねぎや長ねぎなど、ネギ科の植物は赤血球を破壊する作用があり、貧血や呼吸困難を引き起こしてしまうリスクがあります。- ・玉ねぎ
- ・長ねぎ
- ・らっきょう
- ・にら
- ・ニンニク
上記の食材は加熱しても反応が出る可能性があるため、調理法に関わらずねぎ類を与えることは避けましょう。また、少量でも危険なため、スープや加工食品に含まれるねぎ類にも気を付ける必要があります。
いも類
いも類はドッグフードにも使用されることがありますが、種類によっては注意が必要です。特にとろろや長芋はかぶれやかゆみを引き起こすリスクがあります。少量であれば問題ないケースもありますが、不安な場合は控えたほうが無難です。
銀杏
銀杏も中毒を引き起こす可能性があり、わんちゃんに与えてはいけない食べものとして知られています。銀杏は秋になると道端に落ちていることも多く、目を離した隙に実をかじってしまうことがあるかもしれません。少量の場合は水を飲ませて様子を見れば問題ないケースもありますが、少しでも不調が見られたら速やかに動物病院を受診しましょう。
わんちゃんが食べてはいけないもの【果物編】

続いて、果物類で気を付けたい食べ物についてまとめました。それぞれの具体例や注意すべきポイントを見てみましょう。
- ・ぶどう、レーズン
- ・さくらんぼ
- ・アボカド
- ・柑橘類
ぶどう、レーズン
わんちゃんがぶどうやレーズンを摂取すると、急性腎不全を引き起こすリスクがあります。最悪の場合は命に関わることもあるため、食べさせないように徹底しましょう。舐めてしまった程度であれば問題ない場合が多いですが、いつもと様子が違う場合は動物病院を受診するようにしてください。
さくらんぼ
さくらんぼは、実の部分を少し食べる程度であれば問題ない場合がほとんどです。しかし、食べすぎると消化不良を起こしたり、種を大量に摂取することで中毒症状が出たり、種が腸に詰まり腸閉塞を起こすことがあります。アボカド
アボカドはわんちゃんに限らず、多くの動物にとって危険食材として知られています。わんちゃんの場合は絶対に食べさせてはいけないわけではないですが、わざわざ食べさせることは避けたほうがよいでしょう。少量では問題ないかもしれませんが、大量に摂取すると下痢や嘔吐の症状を引き起こす可能性があります。また、種の誤飲にも注意しましょう。柑橘類
オレンジやグレープフルーツ、レモンなどの柑橘類は、わんちゃんにとって消化不良を起こしやすい食べものです。与えても問題ないケースもありますが、大量に与えないようにしましょう。わんちゃんが食べてはいけないもの【魚介編】

魚介類はドッグフードに使用されることもあるため、わんちゃんが食べられる食材というイメージが強いかもしれません。しかし、魚介類のなかにも食べてはいけないものがあります。
魚介類(イカ、タコ、エビ、カニ、貝類など)
魚介類で注意したい食べ物は、イカやタコ、エビ、カニ、貝類などです。イカやタコなどは噛み切ることが難しく、消化されにくいです。嘔吐や下痢を引き起こす原因となる可能性もあるため、避けましょう。
また、エビやカニは殻を誤飲してしまう危険性に加えて、胃腸に負担がかかりやすいとされています。貝類については種類ごとに危険性が異なりますが、大きな分類で避けることをおすすめします。
わんちゃんが食べてはいけないもの【動物性食品編】

続いて、動物性食品のなかでわんちゃんが食べてはいけないものを見てみましょう。以下のような食材については、安易に与えることは避けるべきです。
- ・鶏の骨
- ・生の卵白
- ・牛乳
- ・ハム、ソーセージ
- ・レバー
鶏の骨
鶏肉自体はわんちゃんが食べても良い素材ですが、骨を誤飲してしまうと非常に危険です。特に加熱した骨は縦に割れやすく、尖った部分で消化管を傷つけてしまうことがあります。また、小さな骨が喉に詰まることもあるため、鶏肉を与える場合は骨が混入していないか注意しましょう。
生の卵白
生の卵白のみを大量に摂取すると、皮膚炎や脱毛症状が現れることがあります。卵自体は与えても問題ありませんが、食べさせ方と量に注意しましょう。牛乳
牛乳も少量なら問題ないケースがほとんどですが、下痢を引き起こす可能性があるため注意が必要です。大量に与えることは避けましょう。また哺乳中の子犬には、牛乳ではなく犬用のミルクを与える必要があります。
ハム、ソーセージ
ハムやソーセージなどの加工肉には塩分や保存料が多く含まれており、腎臓や肝臓に負担をかける可能性もあるため注意が必要です。基本的には与えないようにするのがベストです。いけないものを食べてしまったら?対処法

万が一、食べてはいけないものを食べてしまった場合、冷静に対処することが重要です。
今回紹介した食べもののなかでも、危険性の低い食べものであれば様子を見るだけで問題ない場合もあります。
しかし、中毒症状が起こる量は、わんちゃんによって個体差があるため注意が必要です。特に危険性の高い食べものは、少量でも体調を崩してしまうことがあります。少しでも様子の変化が見られる場合や不安に感じる場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。
わんちゃんが中毒になっているときの症状
わんちゃんが中毒になっているときの症状として、嘔吐や下痢、けいれん、元気消失、血便、貧血などがあります。このような症状が出ていると、命に関わることもあるので、注意が必要です。中毒症状が表れるのにかかる時間
中毒症状が現れる時間は、摂取した食品や体調などによって様々ですが、危険な食材を摂取してから数十分〜数時間以内に症状が現れることが一般的です。嘔吐や下痢、けいれんなど、いつもと違う様子が見られた場合は、速やかに病院を受診するようにしてください。
美味しいドッグフードで健康的な食生活を

本記事で紹介したように、わんちゃんにとって危険な食べものはたくさんあります。ひとつずつ知識を付けていくことももちろん重要ですが、より確実に食材を選ぶなら、やはりドックフードがおすすめです。
ドッグフードは栄養バランスを考慮して作られており、必要な栄養素のみをしっかり摂取できます。また、わんちゃん専用に作られたものなので、危険な食材を誤って与えてしまう心配もありません。人と同じ食事で代用しようとするのではなく、愛犬専用のドッグフードを用意してあげることをおすすめします。
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まとめ
わんちゃんが食べてはいけないものについて解説しました。危険な食べものは意外と多く、誤って与えてしまわないように注意が必要です。また「目を離した隙に人間の食事を食べてしまった」「気付かない間に誤飲してしまった」というケースもあるため、食べものの取り扱いには注意しましょう。より確実に食材を選ぶなら、犬専用に作られたドッグフードがおすすめです。またアレルギーや持病のあるわんちゃんは、一覧以外にも食べられない食材があるので、気をつけましょう。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。